「家族滞在ビザは「書類の整合性」が命 不許可を防ぐためのチェックポイント」について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します

「家族滞在ビザは「書類の整合性」が命
不許可を防ぐためのチェックポイント」について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します

ビザ 女性

家族滞在ビザは、一定の在留資格を持って日本に在留する外国人の扶養を受け入れるために設けられたものであり、「家族滞在」の在留資格をもって在留する外国人は、その扶養者である配偶者又は親が日本に在留する場合に限って、日本に在留することができます。従って単に「家族だから当然に認められる」手続ではありません

家族滞在のビザ申請は、
ア 申請人と扶養者との身分関係
イ 扶養者の在留資格
ウ 扶養者の扶養意思
エ 扶養者の扶養能力等
を申請人の在留申請書・理由書・納税関係証明書・在職証明書・通帳履歴などの書類により証明すべき事実を立証していきます。

ここで注意すべきポイントとして、提出が義務付けられている提出書類の不備や不提出はもとより、虚偽記載、書類間の記載矛盾は、審査で致命的になり申請不許可になる場合があるということです。つまり家族滞在の可否は、家族関係の事実そのものの説明だけはでなく、「扶養の意思」と「扶養の能力」「扶養者との関係性」を、資料を基に矛盾なく説明できるかどうかにかかっています。

家族滞在ビザの基本要件と立証の柱

家族滞在は、就労・留学など一定の在留資格で在留する外国人の「扶養を受ける配偶者又は子」として行う日常的な活動に当たる在留資格です。
「日常的な活動」には教育を受ける活動なども含まれますが、報酬を受ける活動は含まれません。報酬を受ける活動を行いたい場合は、新たに「資格外活動許可」を取得する必要があります。家族滞在の対象者は「配偶者又は子」で、配偶者は法律上有効な婚姻であることが前提です。「子」には嫡出子の他、養子及び認知された非嫡出子が含まれます。

①「扶養を受ける」の定義と証明方法

「扶養を受ける」とは、扶養者が扶養の意思を有しかつ扶養することが可能な資金的裏付けがある事をいいます。配偶者にあっては原則として同居を前提として扶養者に経済的に依存している状態、子にあっては扶養者の監護養育を受けている状態のことをいい、経済的に独立している配偶者又は子としての活動は含まれません。「扶養を受ける」証明資料は「公的身分資料+生活実態資料」です。
公的身分資料としては、戸籍謄本、婚姻届受理証明書、結婚証明書、出生証明書などが主な証明資料です。

②扶養能力の基準と証明資料

扶養能力について、明確な一律の金額基準は明確にされていません。主な提出資料は、「扶養者の職業及び収入を証する文書」です。具体的には、扶養者が就労等で収入を得る場合は在職証明書(等)と住民税の課税(又は非課税)証明書納税証明書(総所得と納税状況の記載があるもの)です。
扶養者が収入を伴う活動以外(例:留学生等)の場合は、預金残高証明書、奨学金給付を証明する資料等で「扶養能力」を証明します。

扶養額と同居実態でつまずくケース

家族滞在の審査で厄介なのは、「扶養しています」「一緒に住みます」という宣言が、数字と証拠で裏付けられていないケースです。
特に、扶養者側に他の扶養家族がいる場合は人数も考慮され得るため、「誰を、どの程度、どの期間支えるのか」を通帳・収入資料と整合させて説明する必要があります。

①説明が不足しやすい点

説明が不足しやすいのは、以下の点です。
被扶養者の生活に充てる資金が、いつ、どこで、どのような方法で獲得され、その結果として被扶養者の生活が成り立っているのか
ここが書類でつながらないと、扶養の実態に疑義が生じ、追加資料や不許可リスクが上がります。

②同居実態の証明で注意すべき点

配偶者の扶養は原則として同居が前提と説明されており、同居しない事情があるときは、その合理的理由を明確にする必要があります。
ここでの落とし穴は、住所・居住予定の説明が、提出する住居関係資料と一致していな場合です。「住む予定の住所」と、扶養者の住居、勤務先、子の通学予定などが矛盾なく説明できるよう、書類間の言い回しまで揃えることが重要です。

行政書士が行う立証整理と理由書の必要性

家族滞在の審査は結局、家族滞在在留申請の際に立証すべき事項の設計図を作れるかどうかです。弁護士・行政書士が介入する実益は、単なる書類作成代行ではなく、「審査官が疑う点を先回りして、矛盾が出ない形に整える」ことにあります。

①立証整理の進め方

次の順に整理すると立証の整合性が上がります。

家族関係(法律上の関係)→ 扶養の実態(送金・同居)→ 生計維持能力(収入・税・貯蓄)→ 例外事情(同居できない等)です。

この順序に沿って、証明書類を「主張ごと」に束ねて、同じ事実が別書類でも同じ表現になっているかを点検します。

②理由書が効く場面と書き方の要点

理由書は、立証が必要な事項を“文章で代替する”ものではなく、立証したい事項を審査目線で可視化する役割を持ちます。
実際に、手続案内上も理由書(参考様式)等の持参に触れられており、説明書面が審査実務で用いられていることが示唆されます。

行政書士に依頼するメリット

家族滞在ビザの核心である「扶養」と「生計」の立証は、資料の選別・並べ方・説明の一貫性で申請の通りやすさが変わります。
書類の不備や書類間矛盾が致命傷になり得る以上、許可申請の専門家である行政書士のチェックを入れること自体が、在留申請におけるリスク管理として合理的です。

①申請プロセスと整合性チェックの流れ

家族滞在ビザでの呼び寄せで(在留資格認定証明書=COE)を使う場合、一般的には「日本側でCOE申請→交付→海外で査証申請→入国」という流れになります。以下は、家族滞在で“整合性”を崩さないためのチェックフローです。

②申請の流れ(呼び寄せ型)

事実整理(家族関係・扶養・住居・収入)
→ 立証資料収集(公的資料・収入税資料・送金記録等)
→ 不整合チェック(氏名表記・日付・住所・金額・期間の突合)
→ 理由書で補強(例外事情を「資料に紐づけて」説明)
→ 申請・追加資料対応
→ COE交付→査証申請→入国

なお、在留資格取消しも、偽りその他不正の手段や不実記載文書の提出等が問題になり得るため、「うっかり不整合」を在留申請における制度的リスクとして扱う姿勢が重要です。

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