在留期間中に刑事・行政処分を受けた場合、その後の在留手続きはどうなるのか?

日本に在留している間に刑事処分・行政処分を受けてしまうとビザが取り消されてしまうのでしょうか?

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

1.刑事処分によってビザが取り消されてしまうケース

在留期間中に刑事事件をおこして無期又は一年を超える懲役若しくは禁錮に処せられたケース(執行猶予の言渡しを受けた者を除く)

本ケースでは、例え在留期間中であったとしても、判決確定後は刑務所に移送され服役することになります。服役中に入管審査官が退去強制手続きを進めることがあります。

刑期満了又は仮釈放後は日本人のように刑務所から外に出られるわけではなく、刑務所から出入国在留管理署(以下入管)内にある入管収容施設に直接移送されて収容されます。

出入国管理及び難民認定法、以下法)別表一(日本での活動に基づく在留資格)と法別表二(身分又は地位に基づく在留資格)の区別なく適用されます。

入管収容施設に収容されてからは、退去強制事由に該当しないと判断されない限り、原則30日以内に被収容者(入管に収容された外国人、以下被収容者)に対して退去強制処分が決定されます。

被収容者が入管施設に収容されている場合に被収容者の収容を解く手続きとして仮放免と監理措置があります。

仮放免とは、収容令書又は退去強制令書の発付を受けて収容されている被収容者について、健康上、人道上その他これらに準ずる理由により収容を一時的に解除することが相当と認められるときに、収容を一時的に解除する制度です(法第54条)。

監理措置は令和5年の出入国管理法改正で新たに設けられました。
監理人による監理の下、逃亡等を防止しつつ、相当期間にわたり、社会内での生活を許容しながら、収容しないで退去強制手続を進める措置です。

なお、監理措置は、退去強制令書発付前のもの(法第44条の2以下に規定)と、退去強制令書発付後のもの(法第52条の2以下に規定)とがあります。

健康上、人道上の理由以外の理由で収容の一時的解除を求める場合は監理措置によることになります。入管収容施設に収容された外国人が今後も日本に長期滞在したい場合は、退去強制処分が発付される前に在留特別許可を申請して新たに在留許可が認められる必要があります。

2.特定の犯罪で有罪判決を受けた場合

有罪の判決を受けた場合に法別表第一、法別表第二の在留資格に共通して適用されるケース

本ケースに該当する退去強制該当事由として、他人名義のパスポートによる不法入国、不法就労のあっせん、在留カードの偽造又は所持、在留カードの偽造、不法就労、在留期間超過、人身取引、旅券法違反、大麻取締法違反、麻薬及び向精神薬取締法違反、覚醒剤取締法違反等で有罪判決を受けた場合、売春又は売春のあっせん、勧誘等があります。

出入国管理行政の根幹を揺るがしかねない行為や犯罪、社会的利益を著しく侵害する危険性のある犯罪等を法第24条で限定して列挙しています。

3.特定の刑法犯で執行猶予以上の有罪となった場合

法第24条で定める退去強制事由で、法別表第一の在留資格に該当するケース

法別表第一に記載されている在留資格の外国人は、以下の罪による場合は1年以下の懲役若しくは禁錮又は執行猶予付きの判決に処せられたときでも退去強制該当事由になります。

住居侵入罪、通貨偽造罪、文書偽造罪、有価証券偽造、支払い用カード電磁的記録に関する罪、印象偽造の罪、賭博及び富くじに関する罪、殺人の罪、傷害の罪、逮捕および監禁の罪、略取、誘拐及び人身売買の罪、窃盗及び強盗の罪、詐欺及び恐喝の罪、盗品等に関する罪、暴力行為等処罰に関する法律第一条、第一条の二若しくは第一条ノ三の罪、盗犯等の防止及び処分に関する法律の罪、特殊開鍵用具の所持の禁止等に関する法律第十五条若しくは第十六条の罪又は自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第二条若しくは第六条第一項の罪により懲役又は禁錮に処せられたもの

参考:外国人が逮捕されてしまった場合

4.その他の刑法犯で1年以下の実刑判決を受けた場合

法24条列挙事由以外の罪で1年以下の懲役若しくは禁錮又は罰金に処せられたケース

原則として在留期間中に退去強制手続きは始まらず、次の在留期間まで在留資格は継続します。在留更新時に,刑事処分を踏まえて在留状況を審査されます。
在留更新時の審査で「素行に問題がある」と判断されると,在留更新が認められない場合があります。在留申請更新時に反省文や嘆願書等を提出して在留更新許可が認められるように対策が必要です。

5.その他の刑法犯で執行猶予判決を受けた場合

法24条列挙事由以外の罪で1年を超える懲役若しくは禁錮に処せられたが執行猶予の言渡しを受けたケース

4と同様の扱いとなりますが、本ケースでは刑事処分後の在留更新は「素行に問題あり」として在留更新が認められることはかなり厳しくなります。
法別表一の在留資格の場合はもとより法別表二による在留資格の場合でも、在留資格更新時に滞在中に「素行に問題あり」として在留更新が不許可となる場合があります。
なお本ケースの場合、上陸拒否の特例を受けない限り、いったん日本から出国すると無期限で日本に入国できないので注意が必要です。

6.行政処分を受けた場合

在留更新中に速度超過や駐停車違反で行政処分を受けたケース

速度超過や駐停車違反により行政処分を受けた場合、それだけで退去強制手続きに進むことはほぼありませんが、次の更新申請の時に「素行に問題あり」と判断され在留期間が短縮されることがあり得ます。在留更新時に反省文や理由書等を提出するとよいでしょう。
以上1から6までのケースに分けて刑事処分・行政処分を受けた後の在留手続きについて解説しました。
上記のケースから分かるように在留期間中に刑事処分を受けるとその後の在留更新手続きは極めて困難となります。
また行政処分のみの場合でも在留期間が従来の5年や3年の在留期間から1年の在留期間に短縮されたりすることもあります。
在留期間中に刑事・行政処分を受けてしまい在留更新手続きでお悩みの方は、お一人で悩まずに是非弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までお問合せください。

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