「未成年の外国人の帰化」について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が紹介します。
外国人が日本国籍を取得する帰化申請には、申請者が成人していることを定める「能力要件」がありますが、未成年者は帰化できないのかというと、必ずしもそうではありません。
手続き方法や、緩和条件によっては、未成年の外国人も帰化申請が可能です。
外国籍の方が日本国籍を取得する手続きのことを「帰化」といいますが、帰化をするためには様々な条件があり、その一つとして「能力要件」があります。
能力要件は、「年齢が18歳以上であり本国法によって行為能力を有している」ことと定められています。
基本的に、一人で帰化をする場合には年齢が18歳を超えている必要があるということです。
ただし場合によっては、未成年でも帰化をすることは可能です。
以下で、未成年の外国人における日本国籍取得の条件等についてご説明いたします。
帰化については法務省HPでも必要書類等について説明があります。
未成年の帰化の条件
まず、外国人が日本に帰化する条件は、一般的に以下の7つが定められています。
① 住所要件:日本に継続して5年以上住んでいること
② 能力要件:年齢が20歳以上であり、日本・国籍国の両方で成人していること
③ 素行要件:素行が善良であること
④ 生計要件:世帯単位で、十分な収入や資産があること
⑤ 重国籍防止要件:日本以外の国籍を持たない、または帰化と同時に喪失すること
⑥ 思想要件:暴力団やテロ組織に加入していないこと
⑦ 日本語能力要件:日本の小学校3、4年生レベルの日本語能力があること
このうち、未成年にとって問題になるのは、2つ目の能力要件です。
一見、未成年の外国人は日本国籍取得ができないように見えますが、この能力要件は一定の条件に当てはまると緩和されます。
また、単独ではなく、親と一緒に帰化をすれば年齢に関係なく手続きを行うことが可能です。
この場合、子供の年齢は問われず、0歳でも帰化申請が可能になります。
子供が15歳未満であれば、法定代理人である親が帰化申請の手続きを行います。
15歳以上18歳未満の未成年だと、書類の作成や面接などの帰化申請手続きは子供本人が行うことになりますが、親と一緒に帰化するなら能力要件(年齢)は問われません。
また、両親のどちらかが日本国籍である場合も、未成年でも帰化申請が可能です。
このケースは、日本人と外国人が国際結婚して生まれた子供や、すでに日本に帰化している元外国人の子供などが該当します。
この場合、「能力要件」の他に「住所要件」「生計要件」が緩和され、年齢、日本に住んでいる期間、収入を問わず帰化申請することが可能です。
さらに、日本人の養子である外国人も能力要件が緩和され、未成年でも日本国籍の取得ができます。
このケースには、日本人と結婚した外国人の子供がその日本人と養子縁組をした場合や、日本人の夫婦が海外から養子を引き取った場合などが該当します。
ただし、実子ではなく養子であると、「日本に引き続き1年以上在住している」という条件が付きます。
このケースで帰化申請をするのであれば、未成年者はそれ以前に1年以上、定住者ビザや留学ビザなどで日本に在留する必要があります。
以上のように、未成年者の外国人が帰化する場合には、様々なパターンがあり、パターンによって要件が異なりますので、「未成年者の外国人の帰化」でお困りの方は、お気軽にお問い合わせください。