弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が「厚労省の発表 日本で働く外国人労働者が過去最多。」について解説します。
厚労省が1月31日に公表した外国人雇用状況によると、令和6年10月末時点で日本で働く外国人労働者は2,302,587人でした。前年比で253,912人増え、率にして12,4%の増加、2013年から12年連続で過去最多を更新しました。
厚生労働省 「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和6年10月末時点)
これを基に,外国人の雇用状況を解説していきます。
このページの目次
1.在留資格別外国人労働者の割合
1位~5位までは以下の通りとなっています。
①専門的・技術的分野の在留資格 718,812人、31,2%
②身分に基づく資格629,117人 27,3%
③技能実習470,725人、20,4%
④資格外活動398,167人17,3%
⑤特定活動85,686人3,7%
2.日本で働くことが認められる在留資格について
①専門的・技術的分野
教授、芸術、宗教、報道、専門職1号、2号、経営・管理、法律・会計業務、医療、研究、教育、技術・人文・国際業務・企業内転勤、介護、興行、技能、「特定技能1号、2号」
の在留資格が専門的・技術的分野の在留資格に含まれます。
このうち「技術・人文・国際業務」と特定技能の2つで専門的・技術的分野全体の外国人労働者数の約90%を占めています。
最近の傾向として、特定技能の外国人労働者数206,995人(前年比で68,477人(49,4%)増加しており「特定技能」の増加分だけで専門的・技術的分野全体の増加分の56%を占めています。「特定技能制度」とは、国内人材を確保することが困難な状況にある産業分野において、一定の専門性・技能を有する外国人を受け入れることを目的とする制度です。
2018年に可決・成立した改正出入国管理法により在留資格「特定技能」が創設され、2019年4月から受入れが可能となりました。*JITCO HP
特定技能では「転職」は他の専門的・技術的分野における在留資格よりも大きく宣言されており、「同一の業務区分内又は試験等により
その技能水準の共通性が確認されている業務区分間」においてのみ転職が認められる場合があるという条件があります。
②身分に基づく在留資格
日本において有する身分又は地位に基づいて認められる在留資格です。
永住者・日本人の配偶者等・永住者の配偶者等・定住者の在留資格です。
身分に基づく在留資格の特徴として、就労について制限がないことがあげられます。
③技能実習
外国人技能実習制度により海外から日本の技術を修得するため日本に在留する外国人のために設けられた在留資格です。技能実習制度は、
我が国で培われた技能、技術又は知識を開発途上地域等へ移転することによって、当該地域等の経済発展を担う「人づくり」に寄与することを目的として1993年に創設されました。
2017年11月、「外国人の技能実習の適正な実務及び技能実習生の保護に関する法律(技能実習法)」が施行され、新たな技能実習制度がスタートしました。*JITCO 「外国人技能実習制度とは」HP
2024年6月現在約39万人の外国人が「技能実習」で日本に在留しています。技能実習には1号から3号まであります。コロナ禍で一時減少しましたが、コロナ禍以降大きく回復傾向にあります。
④資格外活動
資格外活動許可とは、現に有している在留資格に属さない収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を行おうとする場合に必要な許可です。
出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」といいます。)別表第一に掲げる在留資格の方(就労資格を有する方や留学生等)が対象です。*入管HP
例えば留学の在留資格で日本の専門学校や大学に通う外国人が授業後や長期休暇の間アリバイトをするときに資格外活動許可が必要となります。
3.外国人労働者数上位3国について
国籍別上位3か国はベトナムが570,708人(全体の24,8%)、中国が408,805人(17,8%)、フィリピンが245,565人(10,8%)となっています。
対前年増加率が大きい上位3か国は、ミャンマーが114,618人(前年比61,0%増の43430人増加。インドネシアが169,539人(39,5%増)48032人増加、
スリランカが39,136人(33,7%増)9863人の増加となっています。ミャンマーとインドネシアでの増加率が大きい理由として、
特定技能 留学 技能実習が前年度と比較して大きく増加していることが挙げられます。
最近の傾向として、特定技能の外国人労働者数206,995人(前年比で68,477人(49,4%)増加しており「特定技能」の増加分だけで専門的・技術的分野全体の増加分の56%を占めています。「特定技能制度」とは、国内人材を確保することが困難な状況にある産業分野において、一定の専門性・技能を有する外国人を受け入れることを目的とする制度です。2018年に可決・成立した改正出入国管理法により在留資格「特定技能」が創設され、2019年4月から受入れが可能となりました。*JITCO HP。特定技能では「転職」は他の専門的・技術的分野における在留資格よりも大きく宣言されており、「同一の業務区分内又は試験等によりその技能水準の共通性が確認されている業務区分間」においてのみ転職が認められる場合があるという条件があります。
4.外国人労働者数が多い上位3都府県
・東京585,791人(全体の25,4%)
・愛知県229,627人(10,0%)
・大阪174,699人(7,6%)
専門的・技術的分野と資格外活動(留学)は東京が一番多く、技能実習は愛知県が一番多くなっており、地域により外国人労働者の在留資格に地域性が現れています。
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