「留学の在留資格から就労のための在留資格への変更」について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が紹介します。
外国人が日本に在留するには、活動内容に応じた在留資格が必要になります。
大学や専門学校で学ぶなら留学の在留資格、日本の会社で働くなら職種や職務に合った就労の在留資格を取得しなければなりません。
つまり、現在は大学に通っている外国人も、卒業して就職するなら留学の在留資格から就労の在留資格に変更しなければなりません。
留学の在留資格から就労の在留資格に変更申請する時期や手続の流れは、会社から内定をもらうタイミングによって異なります。
在留資格の変更手続きについてはこちらでも解説をしています。
在学中に内定が決定した場合
学校に在学中に内定が決まった場合、就労の在留資格への変更申請は「学校を卒業する前の12月」から行うことができます。
申請の期限については特に定めはありませんが、入社日までに就労の在留資格を取得しなければならず、これに間に合わない場合は入社日を遅らせることになります。
ちなみに、就労の在留資格の一般的な審査期間は約1~2ヶ月ですので、卒業直前の2月中に申請しても間に合うと思う方もいるかもしれませんが、この時期は在留資格の変更申請が集中するため、審査期間は通常よりも長くなる傾向にあります。
また、申請する内容によっても時間がかかる可能性があるため、できる限り早いタイミングで申請することをおすすめします。
こちらの出入国管理庁HPでも、留学生が日本で就職する場合の手続きについては掲載されています。
https://www.moj.go.jp/isa/publications/materials/10_00015.html
卒業後に就活を続ける場合
学校の卒業時点で会社から内定をもらっていない場合、就労の在留資格への変更はできません。
また、学校を卒業する以上、留学の在留資格を更新することもできません。
このような場合、いったん「特定活動」というな在留資格に変更した上で、就職活動を継続することになります。
就職活動中に内定をもらった場合は、実際に入社するまで特定活動の在留資格のままとなります。
しかし、この特定活動の在留資格への変更は無条件で認められるわけではありません。
少なくとも、就職活動の継続につき、卒業した学校の推薦をもらうことが必要です。
また、特定活動の在留資格での在留期間は6ヶ月で、1回のみ更新が認められます。
つまり、原則として1年間以内に、就職活動をして内定をもらう必要があります。
留学の在留資格から就労の在留資格への変更申請の審査基準は、以下のような内容です。
① 経歴の要件:
主に学歴が審査され、実務経験などがあれば、それも考慮されることになります。
② 就労内容の要件:
主に大学での専攻や理由科目とこれから就職する会社での事業内容や職務内容の比較され、両者があまりにかけ離れている場合は不許可になる場合もあります。
③ 報酬の要件:
これから就職する会社で日本人と同等以上の給料が提示されているか否かが審査され、日本人よりも給料が低いと判断された場合は不許可となります。
ここで注意が必要なのは、例えば、「資格外活動許可」を受けずにアルバイトをする、「資格外活動許可」を受けていても週に28時間以内の制限を守らない、風俗営業などの禁止されているアルバイトをするというようなことがあれば、就労の在留資格への変更審査に悪影響を与えることになり、程度によっては不許可になることもあります。
上記のように、「留学の在留資格から就労のための在留資格への変更」には、様々な要件や注意点がありますので、「留学の在留資格から就労のための在留資格への変更」についてご相談されたい方はお気軽にお問い合わせください。