弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が在留資格「経営・管理」について解説します。
このページの目次
1.中国で大人気「経営・管理」ビザについて
近年富裕層を中心に中国国外への移住者が増加しています。2024年度の中国から国外への移住者数は過去最高でした。最近富裕層の移住先として、日本が人気になっています。
人気の理由として、地理的に日本が中国と近い、日本の教育環境が良い、治安が良い、円安で物価が低い、教育環境が良い等の点があげられています。
外国人が日本に移住するためには在留資格が必要ですが、最近中国で特に人気があるのが「経営・管理」ビザです。
2.申請人の割合
(最近7年間の「経営・管理」での新規入国者数とそのうち中国国籍者の人数と割合、2025年度は3月31日まで)
年度 新規入国者総数 うち中国 割合
~2025.3 1,792 1,242 70%
2024 4,483 2,976 66%
2023 5,295 3,745 70%
2022 4,346 2,576 59%
2021 474 269 56%
2020 1,537 864 56%
表にあるようにコロナ禍での入国拒否が解禁されて以降、経営・管理での入国が増加しており、2025年は過去最高のペースで入国しています。
新規入国のうち7割が中国となっており、特に中国からの申請者が増えています。
3.「経営・管理」ビザとは何か?
「経営・管理」ビザとは、外国人が日本に投資または人を雇用することにより事業経営を行うか又は事業の管理に従事するための在留資格です。
具体的には、会社の社長・取締役等の事業運営の意思決定者層や、事業所の支店長・工場長・部長等の管理者が該当します。
事業規模として資本金など500万円以上を投資するか又は常勤職員2名以上を雇用することが必要です。
4.なぜ中国で経営・管理の人気が高いのか?
経営・管理ビザが中国で人気の理由は、日本の在留資格の中でが比較的取得しやすい(と思われている)ことです。
「経営・管理」ビザの取得には、事業規模の要件としてとして500万以上の出資が必要ですが、米国で同様のビザ(投資駐在員ビザ)を取得するに20万~30万ドル(3000万~4500万)程度の投資が必要とされるのと比較すると、日本の場合アメリカの6分の一から8分の一の投資金額で済むことから大変リーズナブルになっています。
また「経営・管理」ビザを取得できれば、配偶者や子供を家族滞在という在留資格で呼寄せて日本の社会保険加入が可能となります。
5.経営・管理ビザの申請に重要な書類について
「経営・管理」ビザの呼び寄せでは、500万円以上の出資の他に事業計画書の提出が必須となっています。
具体的には事業内容や収支見通しをまとめた詳細な事業計画書を作成し合わせてオフイスや店舗となる物件の確保を行います。
事業計画書には今後の売上・経費計画やマーケティング戦略、組織体制などを盛り込み、事業の安定性・継続性を明らかにします。また飲食業など許認可が必要な事業は各種営業許可の取得が必要です。
6.審査のポイント
在留審査で重視されるポイントとして、事業の安定性・継続性があげられます。
事業の安定性・継続性とは、申請人のビジネスが日本で継続的に運営されて収益をあげていけるかということです。
入管の審査官は提出された事業計画書や資金計画を精査し、計画に無理がないか、十分な資金のバックアップがあるか、市場環境や集客見込みは妥当かという点をチェックします。例えば売上予測が非現実的だったり、競合調査が不十分な計画は信頼性を欠きます。
次に事業所に実態があるかが重要な審査ポイントになります。
バーチャルオフィスや月契約のレンタルスペースは不可とされており、事業所用や店舗用の事務所であることが必要です。自宅件事務所は原則NGですが、やむを得ず自宅を使う場合は戸建ての一部を明確に事業所と区切るなどの措置が必要です。
7.資金の確実性と出所
資本金500万以上を出資する場合、その資金の出所が審査されます。
申請人や出資者がどの様にしてその資金を用意したのか、銀行送金記録や預金残高証明書等で立証することが求められる場合があります。
以上弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が「経営・管理」ビザについて解説しました。
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