日本の在留資格制度,ビザ制度とは何か?

日本の在留資格制度について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

在留資格制度とは?

「在留資格制度は、出入国管理及び難民認定法(昭和26年政令第319号。以下「入管法」という。)における外国人の管理の基本となる制度です。
入管法は、我が国の外国人の受入れに関する政策に基づいて、入国・在留を認める外国人を、日本に在留する外国人が日本に在留する目的として行う活動(以下「在留活動」という。)の観点から類型化して定めています。
すなわち、我が国が入国・在留を認める対象となる外国人が行う在留活動を類型化し、その類型化した活動のそれぞれについて、日本に在留して当該活動を行うことができる資格としての在留活動を定めています。
そして、外国人は、入管法及び他の法律に特別の規定がある場合を除き在留資格がなければ日本在留することが出来ません(入管法第2条の2第1項)
 
日本に在留する外国人は、在留資格のいずれかに該当しなければ日本に滞在することはできません。 
例えば恋人と一緒に日本で暮らしていきたいから在留資格を下さいという場合、「恋人と暮らす在留資格」は存在していないので、そのような理由では在留資格は認められません。
在留資格の申請は①日本に入国するために申請する手続き、②日本に入国してから滞在し続けるための申請の2種類があり、日本に入国してからの在留申請手続には、在留更新申請手続と在留変更申請手続
の2種類があります。

在留資格認定証明書について

日本で3カ月以上の中長期滞在を希望する外国人が、在留資格を取得するための最初の申請手続を在留資格認定証明書交付申請と言います。
この証明書は、「日本への入国を希望する外国人が、日本で行おうとする活動内容がいずれかの在留資格に該当するものである等の上陸の為の条件に適合するしていることを証明する」ものです。

日本に来たい外国人の居住予定地を管轄する地方出入国在留管理局で申請します。また事前に登録すればオンライン申請も可能です。日本で活動したい内容に応じた申請書・資料を提出します。
例えば日本人と結婚した外国人配偶者が日本で日本人配偶者と生活したい場合は、在留資格は「日本人の配偶者等」となります。日本人の配偶者としての活動を行うために必要な資料としては、双方の国の結婚証明書や出会いから結婚までのいきさつについての説明したもの(質問書)等があります。

在留更新・変更手続について

在留更新申請手続は、既に在留資格がある外国人が在留期間満了後も引き続き従来と同一の在留資格で日本に滞在したい場合に行う在留手続の事をいいます。

在留資格の変更は、例えば留学から技術・人文・国際業務への変更など、一旦帰国せずに従来の在留資格から新たな在留資格を始める際に行う手続きです。
在留資格の変更を申請する際には、新しい活動に応じた在留資格を選び、変更手続に必要な書類を管轄の入国管理局に提出する必要があります。
留学から技術・人文・国際業務へ変更する場合は、大学の卒業証明書、成績証明書、勤務先の雇用契約書や雇用後の活動計画書などが必要な書類となります。

なおこれらの手続きにおいては、申請書類の正確性と必要書類の見極めが非常に重要です。
申請書類に不備があると、在留申請が却下される可能性があり、最悪の場合は在留資格を失うことにもなりかねないので注意が必要です。

また更新手続申請は必ず在留期間の満了前に申請を行う必要があり、期限満了後の申請は超過滞在として原則として申請が受理されないので注意が必要です。
したがって、在留資格の更新や変更申請手続をスムーズに行うためには、計画的に手続きを進め、必要な書類を事前に準備しておくことが肝心です。
また、不明点がある場合は、専門家に相談することで、手続きの不備を未然に防ぐことができます。

永住資格申請について

永住者の在留資格は、在留活動に制限がなく、在留期間にも制限がないことから、永住許可に係る申請は、日本で暮らす外国人にとって最終の在留審査となります。
永住者の在留資格を取得するための基本的な条件には、原則10年以上の継続して日本に在留している事、10年の内5年以上、就労資格又は居住資格をもって引き続き日本に在留していることが必要です。
5年間分の市県道民税、2年間分の社会保険料の未納がないこと、独立した生計能力があること(公共の負担になっていないこと)が求められます。また申請者の在留期間が3年以上あることが申請の条件となります。

永住資格を取得することは、単に在留期間に制限がなくなるというだけでなく、在留活動に制限がなくなる等、他の在留資格と比較して多くのメリットを享受できます。

今後の入管手続きに向けたアドバイスとして

外国人が日本で生活を始めるために必要な入管手続きは、複雑で時間がかかることがありますが、適切な準備によってスムーズに進めることが可能となります。
このブログでは、在留資格認定証明書、在留資格の更新と変更、永住資格の取得、入管法違反と退去強制について解説しました。
在留資格申請におけるアドバイスとして、以下の事をアドバイスいたします。
入管手続きは早めに始め、余裕を持って申請しましょう。
提出書類は最新のものを用意し、書類に不備がないようにしましょう。
普段の生活では日本の法律を遵守し、在留資格の条件に沿った活動を心がけましょう。
在留資格で不明点がある場合は、入管業務の法律専門家に相談することをお勧めします。

在留資格についてご不安なことがある方は,こちらからお問い合わせください。

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