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「経営・管理」のビザがとりやすくなった?
在留資格「経営・管理」の取得要件緩和について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が紹介します。
出入国在留管理庁は、外国人の起業を増やすために2024年度中に、「経営・管理」在留資格の要件に関する省令を改正する予定です。
日本国民や永住者、日本人の配偶者などの在留資格があれば、国内で自由に会社の経営や役員職につくことができますが、外国人は在留資格に応じてこれらの職に就くことについて制限されています。
「経営・管理」の在留資格とは、外国人が日本で会社経営や管理職として勤務ができる在留資格であり、以前は「投資・経営ビザ」として知られていましたが、現在では外国の資本が関与していなくても取得が可能となったため、名称が「経営・管理ビザ」に変更されています。
通常、「経営・管理」の在留資格での在留期間としては、3ヶ月から5年までの間の複数の期間が設定されていますが、申請者の提出した計画や状況により在留期間は決定され、初回では1年間が標準的な期間となっています。
外国人が「経営・管理」の在留資格を取得した場合、基本的には1年更新の在留資格であるため、原則として1年ごとに在留期間の更新手続きが必要になります。
「経営・管理」の在留資格の取得要件として、①独立した事業所の確保、②500万円以上の出資金又は2名以上の常勤職員の雇用、③事業の安定性・継続性が求められます。
以下、各取得要件についてご説明いたします。
・事務所の確保
「経営・管理」の在留資格を取得して日本で会社を設立するためには、事務所を確保する必要があり、「経営・管理」の在留資格を取得するには、独立した事務所が必要です。
事務所ごとに明確な仕切りがないバーチャルオフィスやレンタルオフィスでは事務所としては認められず、また原則として、自宅として利用しているアパート、マンションなどを事務所とすることもできません。
・事業規模の要件と安定性,継続性
「経営・管理」の在留資格を取得するためには、「経営・管理」の在留資格を取得する外国人本人による500万円の出資金又は日本に居住する常勤職員(日本人、特別永住者、日本人の配偶者、永住者等)を雇用するなどの事業規模が必要です。
設立する会社の事業に適正性、継続性と安定性があることも求められます。
事業内容や収支見込み、事業計画書などを提出して、適正性、継続性と安定性を示します。
ビジネスの実体があり、利益をだし事業継続できるのかという点について審査されることになります。
したがって、何年にもわたって赤字を出し続けることが想定される会社は認められません。
2024年度に独立した事業所の確保及び500万円以上の出資金の要件の緩和、在留期間が1年から2年への延長が予定されています。
また、在留期限の更新に際しても、一般的には毎年の更新が見込まれていますが、運営する事業経営状況や経営者の在留履歴、事業の規模、素行などに応じて、更新期間を2年や3年と延長することが許されるケースも存在します。
日本で会社を経営するために取得する「経営・管理」の在留資格では、学歴や職歴要件は要求されていませんが、誰でも申請ができる反面、日本で会社経営ができるのかという、事業規模と事業計画の面が厳しく審査されることになります。
2024年度の改正により、経営管理の在留資格取得の要件が緩和されると言われています。
具体的には、以下のように各取得要件が緩和がされる改正が予定されています。
従来は原則1年の在留期間であったのに対して、2年間に延長される予定です。
また、日本国内の独立した事業所の確保という要件についても、大学の研究室の一部などに拠点を設置する方法でも可能とされる予定です。
さらに、500万円の出資金又は2名以上の常勤職員の採用という要件についても、出資金なしでも可能とされる予定です。
これらの改正が実現されると、今まで認められなかった共同事務所での間借りやシェアオフィスでの事業所利用なども可能となります。
以上のように、外国人が起業しやすい環境をつくることで外国人起業家を増やしていく方向性が示されましたので、今後の法改正について注目が必要となります。
「技術・人文・国際業務」の在留資格
日本には日本で働く外国人のために多くの就労資格がありますが、その中でも特に「技術・人文・国際業務」の在留資格は多くの日本で働く多くの外国人に選ばれています。
この記事では、「技術・人文・国際業務」の特徴、活動内容、審査基準などを事例を交えて詳しく解説します。
当サイトでも,「技術・人文知識・国際業務」の在留資格について解説をしています。
「技術・人文・国際業務」の在留資格とは?
在留資格の概要
技術・人文・国際業務の在留資格は、日本で働く外国人が取得することのできる就労資格の一つです。
この在留資格は、特に高度な専門性を持つ外国人が対象となります。
対象となる人
この在留資格は、日本の大学や専門学校に留学している留学生、または特定の専門性を持つ外国人が対象となります。
例えば、エンジニア、研究者、ビジネスマンなどが該当します。
日本で働くには、在留資格が必要です。
特に、この「技術・人文・国際業務」の在留資格は、高度な専門性が求められる職種で働く際に必要となります。
活動内容について
①理学、工学などの自然科学分野
この在留資格では、理学や工学などの自然科学の分野での活動が認められます。
具体的には、研究開発、製造技術、品質管理などが含まれます。
②法律学、経済学などの人文科学分野
法律学、経済学、社会学などの人文科学の分野でも、この在留資格での活動が可能です。
例として、法律コンサルタント、経済アナリスト、社会研究者などが考えられます。
③国際業務における活動分野
国際業務においても、この在留資格は適用されます。
具体的には、国際貿易、外国市場調査、国際プロジェクトマネジメントなどが該当します。
この在留資格で認められる活動内容は多岐にわたりますが、共通して高い専門性が求められる点が特徴です。
活動内容と審査の基準
出入国管理及び難民認定法に基づく基準
この在留資格の審査は、出入国管理及び難民認定法に基づいて行われます。
この法律には、在留資格を取得するための一定の基準が明示されています。
審査におけるポイント
審査では、申請者の専門性、経験、そして日本での活動内容が重要なポイントとなります。
具体的には、以下のような要素が評価されます。
専門的な資格やスキルの有無、過去の実績や経験、日本での活動計画とその実現可能性等です。
審査においては、申請者自身が高い専門性と実績を持っていることを資料を基に証明する必要があります。
在留資格取得のポイント
専門性と経験を明確に証明する資料が必要です。各種の申請書はこちらからもダウンロードできます。
日本での活動内容とその実現可能性が求められます。
日本でのサポートする組織や企業からの採用通知書が求められます。
注意すべき事項
在留資格の更新や変更には、早めに手続きを始めることが必要とされます
在留資格がない状態での活動は違法となるため、絶対に避ける必要があります
専門性や経験を高めるための継続的な学習とアップデートが必要となります。
「技術・人文知識・国際業務」の在留資格についてお困りのことがある方は弊所までご相談ください。
ベトナム国籍の人との国際結婚とその手続き
「ベトナム人との国際結婚」について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が紹介します。
1.ベトナムと日本の婚姻制度の違い
日本では2022年4月以降は、婚姻可能年齢が男女ともに18歳と法改正がなされましたが、ベトナムでの結婚可能年齢は、男性20歳、女性18歳です。
日本では離婚や死別から100日間の再婚禁止期間が設けられていますが、ベトナムにおいては、女性に対して再婚禁止期間の定めはありません。
ベトナム人と日本人の国際結婚の手続きは、先に日本で結婚手続きを行うか、先にベトナムで結婚手続きを行うかによって変わってきます。
特に、ベトナムは社会主義国ですので、日本と比較して国家が国民生活に対して干渉する度合いが大きいです。
ビザ取得のための手続きや必要書類についてお困りのことがある方はこちらからお問い合わせください。
2.日本で先に結婚手続きを進める場合【日本先行方式】
まずは、ベトナム人に関する婚姻要件具備証明書(独身証明書)を、在日ベトナム大使館で発行してもらう手続きを行います。
その際の必要書類は、下記の通りです。
【ベトナム人が用意する書類】
・現住所証明書
・出生証明書
・婚姻状況証明書
・人民証明書(人民委員会が発行)
・パスポート(原本)
【日本人が用意する書類】
・パスポートの写し
・住民票
ベトナム人配偶者の婚姻要件具備証明書を受領したら、日本の市区役所等で婚姻届を提出します。
日本の市区役所等で婚姻届提出する際は、2人で手続きを行ってください。
その場合の必要書類は、下記の通りです。
・ベトナム人のパスポート
・日本人の戸籍謄本(本籍地の役所・役場に届け出る場合は不要)
日本の市区役所等で婚姻届を提出したら、婚姻届受理証明書を受領します。
その後、戸籍が変更されたら戸籍謄本を取得して、在日ベトナム大使館に対して「報告的届出」を行います。
その際の必要書類は、下記の通りです。
・戸籍謄本
・婚姻届受理証明書
・夫婦のパスポートの写し
3.ベトナムで先に結婚手続を進める場合【ベトナム先行方式】
まず、日本の地方公共団体に相当する「人民委員会」にて婚約申請を行います。
「人民委員会」にて婚約申請を行った後に、法務局で面接の予約を行います。
そして、法務局から指定された日時に面接を受けた後に、結婚登録が行われます。
その際に必要な書類は、下記の通りです。
【ベトナム人が用意する書類】
・人民証明書(人民委員会発行のもの)
【日本人が用意する書類】
・婚姻要件具備証明書(法務局発行)
・精神科医の健康診断書(ベトナム公立病院の医師発行)
・HIVなど感染症に関する診断書(保健所発行)
・パスポートの写し
結婚登録が行われると、婚姻証明書が発行されますので、その婚姻証明書を日本語翻訳文を用意します。上記の書類を準備して、在ベトナム日本大使館にて「報告的届出」を行います。
その際に必要な書類は、下記の通りです。
・婚姻届
・ベトナム法務局から発行された婚姻証明書とその日本語翻訳文
・ベトナム人のパスポートとその日本語翻訳文
・日本人の戸籍謄本
・夫婦のパスポートの写し
上記のいずれかの方法にてベトナム人と日本人の結婚が成立したとしても、ベトナム人が日本に在留するための「日本人の配偶者等」の在留資格が出入国在留管理局で認められるかどうかは、別の問題です。
特に、日本で長く在留したいと考える外国人の方が、「日本人の配偶者等」の在留資格を欲しいがために、日本人と偽装結婚をする外国人が増加しているため、出入国在留管理局は慎重に審査を行っています。現に,入管当局は偽装結婚を含む不法滞在,不法入国の疑いのある事例については広く情報提供を呼び掛けてさえいます。
真摯な婚姻であることの証明にお困りの方は、お気軽にお問い合わせください。
中国国籍の人との国際結婚とその手続き
「中国人との国際結婚」について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が紹介します。
1.中国と日本の婚姻制度の差異
日本では2022年4月以降は、婚姻可能年齢が男女ともに18歳と法改正がなされましたが、中国の婚姻可能年齢は男性22歳、女性20歳です。また、日本では離婚や死別から100日間の再婚禁止期間が設けられていますが、中国では6か月間と定められています。中国人と日本人の国際結婚の手続きは、先に日本で結婚手続きを行うか、先に中国で結婚手続きを行うかによって変わってきます。
2.日本で先に結婚手続きをする場合【日本先行方式】
【日本人が用意する書類】
・婚姻届
・戸籍謄本
【中国人が用意する書類】
・婚姻要件具備証明書(駐日中国大使館が発行)
・パスポート
<再婚の場合に中国人が用意する書類>
・離婚公証書または死亡公証書(※中国で結婚したことがあり、その配偶者と離婚・死別した経歴がある場合)
・婚姻届受理証明書または死亡届受理証明書(※日本で結婚したことがあり、その配偶者と離婚・死別した経歴がある場合)
上記の書類を取得して、2人で日本の市区役所等に婚姻届を提出します。
ビザ取得のための手続きや必要書類についてお困りのことがある方はこちらからお問い合わせください。
次に、中国での戸籍(居民戸口簿)を「既婚」に切り替えるため、日本の市区役所等から「婚姻届受理証明書」を発行してもらい、この婚姻受理証明書を外務省と在日中国大使館で認証してもらった上で、中国人の戸籍所在地の役所に、中国語翻訳文を添付して提出します。
<中国人が短期滞在で日本にいる場合>
先に日本で結婚手続きをする場合、中国大使館からの婚姻要件具備証明書の発行は、中国人が中長期滞在の在留資格を取得している場合に可能だとされています。
90日までの在留しか認められていない短期商用や親族訪問目的の短期滞在の在留資格で来日している場合、在日中国大使館から婚姻要件具備証明書の発行がされないルールになっていますので注意が必要です。
短期滞在ビザで日本に来ていた場合は、出生公証書・国籍公証書・未婚公証書を発行してもらい、その日本語訳文を添付した上で、日本の市区役所等に婚姻届を提出します。
ただし、通常は婚姻要件具備証明書がなければ受理されません。
婚姻要件具備証明書の代わりに出生公証書・国籍公証書・未婚公証書を出したという場合、市区役所等によっては婚姻届を受理してもらえない場合がありますので、受理してもらえない場合は、先に中国で婚姻手続きを行うしかありません。
3.中国で先に結婚手続きをする場合 【中国先行方式】
まず、下記の書類を取得した上で、2人で中国人の戸籍所在地にある「婚姻登記処」にて、結婚登記手続きを行うと、「結婚証」が発行され、正式に結婚が認められます。
【日本人が用意する書類】
・婚姻要件具備証明書(日本の法務局が発行し、外務省と在日中国大使館の認証済みのもの)
・婚姻要件具備証明書の中国語翻訳文
・パスポート
【中国人が用意する書類】
・居民戸口簿
・居民身分証
・パスポート
(※登記処によっては追加の必要書類が求められる場合もありますので、事前確認をお勧めします)
次に、日本人が3か月以内に、日本で「報告的届出」としての婚姻届の提出します。
この際、夫婦2人で行わなくても日本人の方が単独で提出することが可能です。
婚姻届の提出に必要な書類は、下記の通りです。
・婚姻届(この場合、日本人が1人で配偶者の欄も記入して問題ありません)
・中国人配偶者の出生公証書
・(中国人配偶者に離婚歴がある場合)離婚公証書
・これら公証書の日本語翻訳文
上記のいずれかの方法にて中国人と日本人の結婚が成立したとしても、中国人が日本に在留するための「日本人の配偶者等」の在留資格が出入国在留管理局で認められるかどうかは、別の問題です。
日本で「日本人の配偶者等」の在留資格を欲しいがために、日本人と偽装結婚をする外国人が増加しているため、出入国在留管理局は慎重に審査を行っています。
真摯な婚姻であることの証明にお困りの方は、お気軽にお問い合わせください。
4.婚姻後のビザの手続き
日本の手続きを先行していた場合,婚姻した後,配偶者を中国から日本へ外国人を呼び寄せる手続きを行う必要があります。
呼び寄せのためには,在留資格認定証明書の交付請求を行います。在留資格認定証明書とは,入国前に「日本でビザを取得したいのですが認められるでしょうか」という事前審査を受けたことの証明書です。この在留資格認定証明書を取得してから日本に入国することでスムーズにビザの取得ができます。
在留資格認定証明書は,日本で外国人を呼び寄せようとする人または弁護士,行政書士が取次申請人となって申請を行います。
在留資格認定証明書をもらうためには,呼び寄せようとする外国人が実際に日本でどのような活動をする予定なのかということをきちんと証明しなければなりません。書類に不備があると,たとえ真実結婚していたとしても,配偶者ビザが認められないということもあるのです。
一方,中国での手続きを先行させてから日本に来た場合,在留資格の変更手続きをしなければなりません。配偶者ビザへの変更については1~2か月程度かかることもあるため,その間に在留期限が切れてしまわないように注意する必要があります。
参考:法務省HP ビザの手続きに要する時間の統計
国際結婚とその後の外国人の呼び寄せ,在留資格の変更をご検討の方は,こちらからお問い合わせください。
フィリピン国籍の人との国際結婚とその手続き
「フィリピン人との国際結婚」について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が紹介します。
1.フィリピンと日本の婚姻制度の差異
日本では2022年4月以降は、婚姻可能年齢が男女ともに18歳と法改正がなされましたので、これはフィリピンのルールと一致します。
フィリピンは離婚が認められていませんが、それはあくまでもフィリピン人同士の結婚の場合であり、日本人とフィリピン人の国際結婚の場合は、離婚が可能です。
また日本では、女性のみに100日間の再婚禁止期間が設けられていますが、フィリピンでは、夫との死別の場合、女性に301日間の再婚禁止期間が設けられています。
ただ、フィリピン国内で制度上、離婚が想定されていないことから、離婚の場合の再婚禁止期間はないと考えられています。
日本で先に婚姻手続きを行うか、フィリピンで先に婚姻手続きを行うかによって流れが異なりますが、日本先行方式の方が流れはシンプルです。
ビザ取得のための手続きや必要書類についてお困りのことがある方はこちらからお問い合わせください。
2.日本で先に結婚手続きを進める場合【日本先行方式】
まず、在日フィリピン大使館で、フィリピン人の婚姻要件具備証明書(独身証明書)を取得します。
【フィリピン人が用意する書類】
・在留カード
・出生証明書(フィリピン統計局が発行したもの)
・婚姻記録不存在証明書(フィリピン統計局(PSA)から6か月以内に発行されたもの)
・証明写真3枚(パスポートサイズのもの)
・パスポート
【日本人が用意する書類】
・戸籍謄本
・証明写真3枚(パスポートサイズ)
・パスポート
上記の書類を取得して、必ず2人で在日フィリピン大使館を訪れ、婚姻要件具備証明書(独身証明書)を受領してください。
次に、日本の市区役所等に婚姻届を提出するにあたっての書類も取得します。
【フィリピン人が用意する書類】
・認証済み出生証明書(フィリピン統計局が発行し、フィリピン外務省の認証を受けたもの)
・認証済み婚姻記録不存在証明書(フィリピン統計局が発行し、フィリピン外務省の認証を受けたもの)
参考:日本の市役所での手続き,書類https://www.city.ayase.kanagawa.jp/soshiki/shiminka/yokuarushitsumon/3/4/3996.html
3.フィリピンで先に結婚手続きを進める場合【フィリピン先行方式】
まず、マニラ・セブ・ダバオにある在フィリピン日本領事館で、婚姻要件具備証明書を取得します。
日本人は、戸籍謄本とパスポート、フィリピン人はフィリピン統計局が発行した出生証明書を用意してください。
次に、地元の役場に婚姻要件具備証明書を提出して、婚姻許可証の発行を申請します。
婚姻許可証の有効期間は120日ですので、その期間内に挙式を行わなければなりません。
その婚姻証明書は、挙式から15日以内に民事登記官によって正式に登録されます。
民事登記官によって正式に登録されることによって、婚姻証明書の謄本が取得できるようになりますので、在フィリピン日本大使館又は日本の市区役所等に婚姻届を提出する手続きを行います。
【日本人が用意する書類】
・婚姻届
・戸籍謄本
【フィリピン人が用意する書類】
・婚姻証明書(フィリピン統計局発行のもの)
・出生証明書(フィリピン統計局発行のもの)
・これらの日本語翻訳文
上記に従い、フィリピン人との結婚が正式に成立したとしても、当該フィリピン人に「日本人の配偶者等」の在留資格が発行されるとは限りませんのでご注意ください。
4.婚姻後のビザの手続き
婚姻した後,フィリピンから日本へ外国人を呼び寄せる手続きを行う必要があります。
呼び寄せのためには,在留資格認定証明書の交付請求を行います。在留資格認定証明書とは,入国前に「日本でビザを取得したいのですが認められるでしょうか」という事前審査を受けたことの証明書です。この在留資格認定証明書を取得してから日本に入国することでスムーズにビザの取得ができます。
在留資格認定証明書は,日本で外国人を呼び寄せようとする人または弁護士,行政書士が取次申請人となって申請を行います。
在留資格認定証明書をもらうためには,呼び寄せようとする外国人が実際に日本でどのような活動をする予定なのかということをきちんと証明しなければなりません。書類に不備があると,たとえ真実結婚していたとしても,配偶者ビザが認められないということもあるのです。
国際結婚とその後の外国人の呼び寄せをご検討の方は,こちらからお問い合わせください。
育成就労制度とは何か?
「育成就労制度」について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が紹介します。
2018年の入管法改定(翌19年施行)によって、深刻な労働力不足に対応するために、在留資格「特定技能」が創設されました。
ニュース報道:外国人材「育成就労」新設、技能実習を改革 閣議決定
特定技能には、最長5年間で、家族の帯同が認められていない1号と、家族帯同が可能で、通算在留期間に制限のない2号があります。
技能実習制度に替わる「育成就労制度」は、未熟練労働者として受け入れた外国人を、特定技能1号に移行できる水準に育成しようというものです。
つまり、外国人の出身国のためではなく、受入れ国である日本の労働力不足解消に資するよう、育成しようという制度です。そのため、新制度の受入れ対象分野は、特定技能制度における「特定産業分野」に一致させるとしています。
また、現行制度の下では、良好な技能実習2号修了者は、無試験で特定技能1号に移行できますが、新制度では、日本語と技能の試験に合格しなければ移行できません。
つまり、育成の結果、一定レベルに達しない外国人は帰国しなければいけません。特定技能1号から2号への移行にも日本語と技能の試験があります。
やはり、一定レベルに達しなければ、帰国してくださいという制度設計です。
今回の見直しの最大の争点は、転籍の自由です。「育成就労制度」では、転籍要件が緩和され、自己都合の転籍が認められるようになります。
しかしながら、同一受入れ機関での1年を超える就労、日本語と技能試験の合格などの要件が設定されることで、一定の転籍制限が維持されています。もちろんですが、たとえ要件を満たしたとしても、転籍先が見つからなければ転籍できません。
現行制度でも、やむを得ない事情がある場合には、転籍が認められていますが、監理団体や技能実習機構による転籍支援はうまく機能しておらず、外国人の権利保護という観点からすれば、転籍が実質的に保証されない限り、技能実習制度の問題点が継承されてしまう可能性が高いといえます。
これに対して、受入れ機関や地域からは、転籍要件が緩和されることで、賃金などの労働条件の良い都市部へ外国人が流出してしまうことを危惧する声があがっています。
有識者会議の最終報告書では、転籍要件の就労期間に関して、当分の間、受入れ分野によっては1年を超える期間を設定することを認めるといった受入れ機関や地域に対する「配慮」とも言える経過措置が示されています。
加えて、送出し機関、監理団体、技能実習機構などの現行の技能実習制度に係る関係諸機関が、新制度においてもすべて維持されています。
かつての日本は、受入れ国として絶対的に優位な地位にあり、多くの外国人を惹きつけることができましたが、近年では、もはや外国人にとっての移住の選択肢は日本だけではありません。
今後の日本が目指すべきは、制度によって縛らなくても、選ばれる地域をつくることだと思います。
受入れ機関や自治体、地域住民やNPOなど多様なアクターが連携・協力し、就労環境や生活環境を改善・整備し、魅力を高めるための努力をすることが必要不可欠でしょう。
未成年者の外国人の帰化
「未成年の外国人の帰化」について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が紹介します。
外国人が日本国籍を取得する帰化申請には、申請者が成人していることを定める「能力要件」がありますが、未成年者は帰化できないのかというと、必ずしもそうではありません。
手続き方法や、緩和条件によっては、未成年の外国人も帰化申請が可能です。
外国籍の方が日本国籍を取得する手続きのことを「帰化」といいますが、帰化をするためには様々な条件があり、その一つとして「能力要件」があります。
能力要件は、「年齢が18歳以上であり本国法によって行為能力を有している」ことと定められています。
基本的に、一人で帰化をする場合には年齢が18歳を超えている必要があるということです。
ただし場合によっては、未成年でも帰化をすることは可能です。
以下で、未成年の外国人における日本国籍取得の条件等についてご説明いたします。
帰化については法務省HPでも必要書類等について説明があります。
未成年の帰化の条件
まず、外国人が日本に帰化する条件は、一般的に以下の7つが定められています。
① 住所要件:日本に継続して5年以上住んでいること
② 能力要件:年齢が20歳以上であり、日本・国籍国の両方で成人していること
③ 素行要件:素行が善良であること
④ 生計要件:世帯単位で、十分な収入や資産があること
⑤ 重国籍防止要件:日本以外の国籍を持たない、または帰化と同時に喪失すること
⑥ 思想要件:暴力団やテロ組織に加入していないこと
⑦ 日本語能力要件:日本の小学校3、4年生レベルの日本語能力があること
このうち、未成年にとって問題になるのは、2つ目の能力要件です。
一見、未成年の外国人は日本国籍取得ができないように見えますが、この能力要件は一定の条件に当てはまると緩和されます。
また、単独ではなく、親と一緒に帰化をすれば年齢に関係なく手続きを行うことが可能です。
この場合、子供の年齢は問われず、0歳でも帰化申請が可能になります。
子供が15歳未満であれば、法定代理人である親が帰化申請の手続きを行います。
15歳以上18歳未満の未成年だと、書類の作成や面接などの帰化申請手続きは子供本人が行うことになりますが、親と一緒に帰化するなら能力要件(年齢)は問われません。
また、両親のどちらかが日本国籍である場合も、未成年でも帰化申請が可能です。
このケースは、日本人と外国人が国際結婚して生まれた子供や、すでに日本に帰化している元外国人の子供などが該当します。
この場合、「能力要件」の他に「住所要件」「生計要件」が緩和され、年齢、日本に住んでいる期間、収入を問わず帰化申請することが可能です。
さらに、日本人の養子である外国人も能力要件が緩和され、未成年でも日本国籍の取得ができます。
このケースには、日本人と結婚した外国人の子供がその日本人と養子縁組をした場合や、日本人の夫婦が海外から養子を引き取った場合などが該当します。
ただし、実子ではなく養子であると、「日本に引き続き1年以上在住している」という条件が付きます。
このケースで帰化申請をするのであれば、未成年者はそれ以前に1年以上、定住者ビザや留学ビザなどで日本に在留する必要があります。
以上のように、未成年者の外国人が帰化する場合には、様々なパターンがあり、パターンによって要件が異なりますので、「未成年者の外国人の帰化」でお困りの方は、お気軽にお問い合わせください。
「経営・管理」ビザを取得するためにはどうしたらよいか
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が在留資格「経営・管理」について解説します。
日本で外国人が事業を開始する場合、永住、定住、日本人の配偶者等の身分による在留資格の場合を除いて、日本で事業活動や会社経営を行うために「経営・管理」という在留資格が必要となります。
日本での事業活動は多くの外国人起業家にとって魅力的な市場です。
ここではこの在留資格の概要から審査ポイントまでを詳しく解説します。
「経営・管理」とは何か
「経営・管理」は、事業の経営や管理に従事する外国人を対象とした就労資格です。
この在留資格は、外国人が新たに日本国内で事業を開始する場合や、すでに事業活動を行っている事業に参加して、経営や管理業務を行うために設けられています。「経営・管理」の在留資格で認められる活動内容には、貿易や他の商業活動、幅広い業種が該当します。
個人事業で始める場合と 法人事業で行う場合があります。
法人を設立して事業を始める場合、合名、合資、合同、株式4種類の会社形態の中から選択します。
「経営・管理」の在留資格を取得するには、規模の要件として500万円以上の出資を証明する必要があります。事業の規模は,出資金・資本金の形で証明します。
1.事業活動と在留資格について
定住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、永住者といった身分によって在留する資格を持つ在留外国人については、日本で行う事業活動について特に制限はありません。
それ以外の外国人で日本で事業を行いたい場合は「経営・管理」の在留資格によることになります。
活動内容として、貿易やその他の事業の経営、またはこれらの事業の管理です。
「貿易」という言葉はあくまで例示であり、日本での合法的な商業活動が対象となります。
「経営・管理」の審査において、まず重要なのが事業所の存在です。
この審査基準では、事業を営むための事業所が日本国内に実際に存在することが求められます。
さらに、事業が開始されていない場合でも、将来の事業運営のための施設が日本国内に確保されている必要があります。この場合、事務所として独立していることが必要です。
2.事業の規模と資本要件
資本金の額が500万円以上、または出資の総額が500万円以上であることが必要です。
日本では会社を設立する時の資本金として1円以上あれば足りますが、経営・管理の在留資格を申請するためには、1円では足りず、資本金として500万円以上必要です。
3.申請手続きと必要書類
「経営・管理」の在留資格認定申請手続きに必要な書類は次のようなものです。
①在留資格認定証明書交付申請書:申請者の基本情報と希望する在留資格に関する詳細を記載します。
②事業計画書:事業の内容、計画、予算、収支予測等を詳細に説明します。この事業が本当に実現可能なのかについて、審査官が在留資格の該当性を判断する上で大変重要な書類です。
③その他の証明書類:事業所の賃貸契約書、従業員の雇用契約書など、事業の実態を証明するための書類が必要です。
在留資格「経営・管理」で注意すべき点
日本で法人を設立して事業を行いたい場合、資本金を入金するため個人名義の銀行口座が必要となりますが、まだ在留資格が日本にない段階では、日本国内で個人名義の口座を作ることは困難です。
事業活動を行う事務所の確保についても、住居が日本にない外国人の場合は困難です。
そこで海外にいる外国人が「経営・管理」の在留資格を取得したい場合は既に日本に居る人の協力を得るか、既に日本国内に存在している法人の役員に就任するという方法を取ることになります。
この点において、東京都や愛知県では外国人創業受入促進事業として特区を設け、事務所の設立と500万以上の出資について、従来の要件を緩和した基準を設け「経営・管理」の取得の容易化を図っています。
「老親扶養」のビザとは何か,親を呼び寄せるための手続は?
本頁では「老親扶養」の「特定活動」について解説します。
「老親扶養ビザ」とは何か?
日本に在住する外国人が自分の高齢の親を日本に招くための在留資格として「老親扶養」と呼ばれるものがあります。
これは在留資格「特定活動」一つであり、日本に在留する外国人が本国にいる高齢の親を日本で扶養するための在留資格です。
「老親扶養」は事前に上陸基準が決められていない活動すなわち「告示外活動」となるため、在留資格認定証明書では申請できず、「老親扶養」で親を呼び寄せる場合、最初に「短期滞在」で日本に上陸した後に、「短期滞在」の在留期間内に「特定活動」に在留資格変更手続を行う必要があります。
このビザの取得を希望する場合、呼び寄せ側は日本の入国管理局に対して、親を日本で扶養するための経済的及び社会的な基盤が整っていることを証明する必要があります。
「老親扶養ビザ」の申請資格と条件
老親扶養ビザの申請にはいくつかの条件があります。
まず、呼び寄せる親の年齢は原則70歳以上である必要があります。
また、親は本国に身寄りがおらず、単身又はそれに近い状況であることが求められます。
受入側は親を経済的に支える十分な能力が必要とされ、親に持病がある場合はその点も考慮されます。
これらの条件を満たすことで、老親扶養のための「特定活動」ビザへの資格変更が可能性が出てきます。
手続きの流れと必要書類
老親扶養ビザの申請での手順と必要書類について説明します。
初めに短期滞在ビザで親を日本に呼び寄せ、その後、在留資格「特定活動」への変更を申請します。
在留資格の変更許可申請について⇒https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/16-2.html
必要書類には、「短期滞在」から「特定活動」への在留資格変更証明書の他、親を扶養する側の勤務先の雇用契約書、在職証明書、税金の納税証明書、課税証明書、親の出生証明書、結婚証明書親が持病を抱える場合の証明として医師の診断書等があります。
これらの書類を準備し、入国管理局に提出します。
経済力の証明について
老親扶養ビザの申請では、扶養する側の経済力を証明する必要があります。
親が就労ができないのが原則なので、扶養する親の費用を賄えるだけの収入や資産があることの証明が求められます。これには、納税証明書・課税証明書等の収入の証明や納税状況を明らかにする書類、預貯金の残高証明書等があります。
これらの資料を通じて、申請者が長期にわたって親を支援する経済的余裕があることを示す必要があります。
老親扶養のビザについてはこちらの記事もご覧ください。
今後の見通し
現在のところ、「老親扶養」の特定活動は求められる要件のハードルが非常に高く、簡単に取得できる在留資格ではありません。
しかし現実には少子高齢化は日本だけの問題では無く、世界の多くの国々で見られる共通の問題であることから、
本国にいる親が心配で日本にいる子が親を引き取って面倒をみていきたいという需要は、これからますます増加していくことと思われます。
高齢の親の呼び寄せについて、難易度が高い「老親扶養」だけにに拘るのではなく、親が元気であれば日本で商売を始めてみるビザ(経営・管理ビザ)
の取得を考えてみるのも、親の呼び寄せの可能性を高める一つの方法だと思います。
老親扶養の特定活動の申請はかなり難易度が高い為、出来れば入管業務を扱う弁護士、行政書士の支援を受けると良いでしょう。
申請のプロセスや必要書類の準備についての具体的なアドバイスを得ることが可能となります。
「日本人の配偶者等」ビザと偽装結婚
在留資格「日本人の配偶者等」の偽装結婚について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が紹介します。
この「日本人の配偶者等」の在留資格に該当する方としては、日本人の配偶者若しくは特別養子又は日本人の子として出生した者です。
「日本人の配偶者等」の該当例としては、日本人の方の夫又は妻・実子・特別養子などです。
「日本人の配偶者等」在留期間は、5年・3年・1年又は6月です。
この「日本人の配偶者等」の在留資格を取得するメリットとしては、就労制限がないため、自由に仕事をしたり、パート、アルバイトをすることができ、他業種への転職もできます。
この「日本人の配偶者等」の在留資格には、在留活動に制限がないので大学や専門学校に通うこともできます。
また、永住者の申請をする場合に、日本人と婚姻していることにより永住者の在留要件が3年に短縮されます。
さらに、帰化申請をする場合にも、日本人と婚姻していることにより簡易帰化による在留期間の短縮特例があり帰化しやすいということもあります。
「日本人の配偶者等」の在留資格は、上記のように様々な点につき優遇されていることから、日本人と偽装結婚をして当該在留資格を取得しようとする人が少なくはありません。
日本人と結婚をした日本人の配偶者である外国人は、「日本人の配偶者等」の在留資格を申請することができる立場にありますが、ここにでいう「配偶者」とは、形式的には現に日本人と法律上の婚姻関係にある者をいい、実質的には同居しお互いに扶助しあう社会通念上の夫婦としての共同生活を営む者をいい、この形式的側面と実質的側面の両方が必要となります。
また、出入国管理及び難民認定法に規定されている在留資格等不正取得罪(同法第70条1項)では、虚偽の内容の申請をし、不正に在留資格を得て日本に上陸又は滞在し続けた方に、3年以下の懲役若しくは禁固若しくは300万円以下の罰金に処し、又はその懲役若しくは禁固若しくは罰金を併科することを予定しています。
偽装結婚に対する刑事責任についてはこちらのページでも解説をしています。
さらに、「偽計を用いて日本に上陸したことが発覚すること」や、「不実を記載した文書を提出した結果、上陸をしたことが発覚すること」という事情があれば、在留資格の取消(入管法第22条の4)をされることもあります。
以上より、「偽装結婚」は「日本人の配偶者等」の在留資格の不許可理由に該当します。
しかし、「結婚」というものは、その「当事者の合意」に基づくものであり、その真意は客観的には把握することが困難です。
たとえ出会いから結婚までの期間が短い、2人の年齢が離れているなどの事情があったとしても、お互いが急速に惹かれあい結婚に至ることは、人間である以上はあり得ないとは言い切れません。
一方、この結婚の性質をうまく利用して、偽装結婚をした上で「日本人の配偶者等」の在留資格の申請をする外国人が後を断たないのも事実です。
このような状況から、「申請をしている外国人と配偶者である日本人は、真意に基づいた結婚をしているのか否か」という点について、慎重に審査がなされ、「偽装結婚」に該当すると判断された場合は、前述のペナルティを受けることとなりますので、「偽装結婚」に基づく「日本人の配偶者等」の在留資格の申請はやめましょう。
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