「日本人の実子をもつ外国人親の在留資格」について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

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1.事例
日本に滞在する外国人女性Aさんは、日本滞在中に内縁関係にある日本人男性との間に子どもをもうけました。子どもは日本人男性の認知を受けて現在Aさんが日本で育てています。
Aさんがこの先日本で仕事をして子どもを育てていくためにはどのような在留手続きが必要となるでしょうか?
2.どのようなビザが取れるのか
上記のケースについて,「日本人の実子をもつ外国人親が日本に滞在するのに必要な在留資格の扱いについて」という法務省からの通達が出ています。
平成8年7月30日通達(法務省入国管理局長通達第2565号「日本人の実子を扶養する外国人親の取扱について」
「表記(引用者注:日本人の実子を扶養する外国人親の取扱い)については、地方入国管理局長が諸般の事情を考慮して「定住者」と認めることが相当と判断した場合には本省に通達し、本省で個々に拒否の判断を行い、許可されたときに限り当該外国人親の在留を認めてきたところですが、日本人の実子としての身分関係を有する未成年者が我が国で安定した生活を営めるようにするために、その扶養者たる親の在留資格についても、なお一層の配慮が必要と考えられます。ついては、扶養者たる外国人親から在留資格の変更申請があったときは、下記のとおり取り扱うこととされたく、通達します」
と記載され記書きとして「未成年かつ未婚の実子(注1)を扶養するため本邦在留を希望する外国人親については、その親子関係、当該外国人が当該実子の親権者であること、現に相当期間当該実子を監護養育していることが確認できれば、地方入国管理局(支局を含む。以下同じ。)限りで「定住者」(1年)への在留資格の変更を許可して差し支えない。」と規定しています。
注1「日本人の実子とは、嫡出・非嫡出子を問わず、子の出生時点においてその父又は母が日本国籍を有しているものをいう。実子の日本国籍の有無は問わない。日本国籍を有しない有しない非嫡出子については、日本人父から認知されていることが必要」
通達の趣旨は「日本人と外国人との間の婚外子出生子が増加していることを踏まえこれら日本人の実子が外国人親とともに本邦で生活を営めるようにするため、未成年かつ未婚の日本人の実子が監護養育する外国人親について、法務大臣が特別な理由を考慮し「定住者」の在留資格により在留資格を認めることとした」ものです。
定住資格とは「法務大臣が特別な理由を考慮し一定の在留期間を指定して居住を認める者」に付与される在留資格です。
あらかじめ定住者告示をもって定められた活動(定住者告示)と定住者告示に定めがないもの(告示外定住)の2種類があります。
本ケースで取り上げている「日本人の実子をもつ外国人親に定住資格を認める場合」は定住者告示に定めがないもので「告示外定住」と呼ばれるものです。
3.具体的な手続きは?
日本人の実子をもつ外国人親が、入管法別表第1の在留資格で在留している場合、今後も子と日本で暮らすことを考えているケースではどの様な手続きをすべきでしょうか?
現在の在留資格から定住資格に在留資格変更手続きをすることができます。
「定住者資格」は就労制限がなく、身分による在留資格なので就労による在留資格よりも安定的・継続的に日本に滞在することが可能となります。
「定住者資格」で継続して5年日本に滞在することで、永住申請の要件の一つである国益要件を充足することができます。
定住者の在留資格に関する手続き,書式についてはこちらから。
4.オーバーステイにより在留資格がないケースでは、どの様な手続きが必要ですか?
オーバーステイの状態では,そもそもの在留資格が無いので、このままでは強制送還となります。
日本で生活していくためには退去強制処分が発令される前に在留特別許可申請をして
法務大臣に自分が在留を許可すべき特別な事情があること示して定住者資格を認めてもらう必要があります。
法務省では在留特別許可をするかどうかの判断において、審査の透明性を図る目的で在留特別許可のガイドラインを作成しています。
ガイドラインによれば、在留特別許可認める方向での積極的要素として「家族とともに生活する子の利益の保護の必要性」をあげています。
在留特別許可の判断において在留許可を認める方向で特に考慮する積極的要素として
①子が、日本人又は特別永住者との間に出生した実子であること
②外国人親が子を扶養していること
③子が未成年かつ未婚であること
④外国人親が子と相当期間同居し、子を監護及び養育していること
①~④全ての事情を満たす場合には、法務大臣が在留を許可すべき特別な事情を判断するうえで、在留特別許可を認める方向で特に考慮する積極的要素となります。
5.「定住者」への在留資格変更申請手続き・在留特別許可申請手続きに関して必要となる資料はどのようなものがありますか?
子の戸籍謄本、住民票、子の在園証明書、在学証明書、子の扶養者の在職証明書、
外国人親の在職証明書、納税課税証明書、本邦に居住する身元保証人の身元保証書等
があります。これらの資料を元に「定住者」への在留資格変更申請手続き・在留特別許可申請手続きを行います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、日本人の実子を監護・養育する外国人親の在留申請手続きを扱っています。
日本人の実子を監護・養育するために必要な在留申請手続きでお悩みの方は、是非弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までお問合せください。
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