「再入国手続きと転出入届について」弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
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事例
東海地方に住む日系ブラジル人のAさんは永住者です。Aさんは日本で株式会社を設立し代表取締役として自動車部品輸出関連の会社を経営しています。
最近Aさんは事業拡大のため、出身国のB国で新たに日本からの自動車関連部品輸入事業を立ち上げる予定です。AさんはB国で新規事業立ち上げにあたり、
事業を立ち上げ経営が軌道に乗るまでのおよそ3年~4年の間、B国に生活の拠点をおいて生活したいと考えています。Aさんは今後B国に拠点をおいて生活するにあたり、
事前に日本でどのような手続きをする必要があるでしょうか?
1.再入国許可手続きについて
再入国許可とは「我が国に在留する外国人が一時的に出国し再び我が国に入国しようとする場合に、入国・上陸手続を簡略化するために法務大臣が出国に先立って与える許可」です。
再入国許可には、1回限り有効のものと有効期間内であれば何回も使用できる数次有効のものの2種類があり、その有効期間は、現に有する在留期間の範囲内で、5年間(特別永住者の方は6年間)を最長として決定されます。
手続き対象者は「我が国に在留する外国人で在留期間(在留期間の定めのない者にあっては、我が国に在留し得る期間)の満了の日以前に再び入国する意図をもって出国しようとする外国人」です。
出入国在留管理庁HPより
まず最初にAさんは出国前に管轄の出入国在留管理局に行って「再入国許可」の手続きを行います。
Aさんは今後数年にわたりB国に生活の拠点をおいて日本とB国を行き来する生活を送る予定なので、
有効期間内であれば何回でも使用できる「再入国許可」の申請を行い「再入国許可」を取得します。手数料は1300円です。
手続きに必要なものはパスポートと在留カードで,窓口に提示します。
*再入国許可手続き又はみなし再入国許可手続きをしないまま日本から出国すると出国した時点でこれまでの日本での在留資格が失われてしまいます。
在留期限内に再び再入国を希望する場合は、必ず再入国許可またはみなし再入国許可を取得してから出国してください。
2.海外転出届とは:住民票は「除票」扱い。
海外転出届とは、日本の居住地から国外に移住、または長期間滞在する際に必要な届出です。この届け出が必要になるのは、1年以上の海外出張や海外旅行などで日本を離れるときです。
日本国籍者だけでなく、日本で住民登録されている外国籍者も届出の対象となります。出国の2週間前から手続きできます。
海外転出届を出すと、現住所での住民票は「除票」となり、住民ではなくなり住民税の支払いの対象外となります。住所地にある市町村役場に行って海外転出届を提出します。
この手続きにより日本での住民税の支払いを免除されます。Aさんの住民票は「除票」扱いとなります。Aさんが海外から戻って日本で生活を再開するときは、引っ越し先の市町村役場に「転入届」を海外から転居後2週間以内に提出します。
特に出国前に管轄の出入国在留管理局で「再入国許可」を取得することが重要です。
日本に在留資格のある外国人の方で1年以上日本を離れて生活するときは、必ず管轄の入管で「再入国許可」を取得し、住民票のある市町村役場で「海外転居届」を提出するのを忘れないようにしましょう。
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