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上陸拒否の特例

上陸拒否の特例について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
1.上陸拒否の特例とはなにか。
一定の類型の上陸拒否事由に該当する(出入国管理及び難民認定法第5条に列挙されています)者であったとしても、法務大臣が再入国の許可を与えた場合その他法務省令で定める場合において、相当と認めたときは、当該違反事由のみによっては上陸を拒否しない(他に違反事由がなければ日本への上陸を認める)ことができます。
この特例を上陸拒否の特例といいます(出入国管理及び難民認定法第5条2項)。
たとえ上陸拒否に該当する者であっても上陸を認めるだけの相当の理由がある場合は、日本への上陸を希望する当該外国人の上陸を認められる場合があるということを定めたものです。
2.上陸拒否事由とは?
上陸拒否事由とは、入管法第5条に規定される事由で、外国人が当該事由のいずれかに該当する場合は、上陸拒否の対象となります。
各主権国家が、その国家にとって 好ましからざる外国人の入国を禁じ又は適当と認める条件を具備する外国人のみの入国を許可する権限を有することは国際法上確立した原則であり、我が国でも、公衆 衛生、公の秩序、国内の治安等が害されるおそれがあると認める外国人について、上陸拒否事由に該当する場合は上陸を拒否することとしています。
3.上陸拒否の対象となる人
過去に不法残留等を理由に退去強制された者や出国命令を受けて出国した者は、一定期間、我が国に上陸することはできません。上陸拒否期間は下記のとおりです。
① 退去強制された者で、その退去の日前に退去強制されたり、出国命令を受けて出国したことがないものの上陸拒否期間は、退去強制された日から5年
② 退去強制された者で、その退去の日前に退去強制されたり、出国命令を受けて出国したことがあるものの上陸拒否期間は、退去強制された日から10年
③ 出国命令により出国した場合の上陸拒否期間は、出国した日から1年
④ 日本国又は日本国以外の法令に違反して1年以上の懲役又は禁錮等に処せられた場合等の上陸拒否期間は無期限となります。
4.上陸特別許可の特例の申請と申請書類
上陸拒否事由に該当する外国人が、日本に上陸を希望する場合、在留資格認定証明書の交付申請により在留許可申請を行います。
管轄の地方出入国在留管理局への申請により審査が行われることとなりますが、審査の結果とし て同証明書が交付され、在外公館において有効な査証を取得した場合は、当該外国人が我が国の出入国港で上陸申請を行った際に、当該上陸拒否事由に該当すること以外に上陸の条件に適合しないものがなければ、上陸特別許可の手続を経ずに上陸を認められることとなります。
5.実際に上陸特別許可を受けた事例の紹介
出入国在留管理庁からから出ている上陸特別許可事例によると、退去強制後の日本人配偶者との婚姻による場合に上陸特別許可が出ているケースが見られます。
日本国内で何らかの犯罪を行った結果、1年以上の有罪判決を受けて無期限上陸拒否となったケースで上陸特別許可が認められたケースもありますが、いずれも執行猶予がついている事例であり、実刑判決を受けて帰国してから上陸特別許可で認められた事例はこれまでのところ見当たりません。
6.上陸特別許可の重要性と専門家のアドバイス
上陸特別許可(上陸拒否の特例)は、出入国管理及び難民認定法の規定によると、上陸拒否に該当する外国人が日本への上陸を希望する場合、
原則として上陸を認めない、
例外として上陸を認める「相当の理由」が認められる場合に上陸を認める場合がある
というように通常の在留許可申請と違い「原則」と「例外」が逆転しており、上陸特別許可を認めてもらうには申請側が上陸を認めてもらうに足りる「相当の理由」を証拠となる根拠となる資料とともに立証していく必要があります。
現実には上陸特別許可での在留資格の取得は大変難しい状況となっており、上陸特別許可の申請には大変高度な書類作成能力と事案の判断分析能力が必要となります。
上陸特別許可の申請を考えている方は、可能であれば入管業務を専門に取り扱う弁護士・行政書士のアドバイスを受けてみることをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、上陸特別許可の案件で在留許可を獲得した実績があります。
上陸拒否を受けていて日本への上陸が認められずお困りの方は、是非弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所入管部門までお問合せください。

日本に在留する外国人の方が増える中,ビザや在留資格の手続きは複雑で分かりにくく,誤ると収容や強制送還のリスクも伴います。弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では,日本に在留する外国人の方,日本に入国したいという外国人の方やそのご家族の方のために最大限のサポートをさせていただきます。自分たちだけで悩まずに,どうぞお気軽にお電話下さい。
在留期間の更新手続きについて

「在留期間の更新について」弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
在留期間の更新とは文字通り、「現に有する在留資格を変更することなく在留期間を更新すること」をいいます(出典:入管法大全第2版P285)。
在留資格には在留期間が定められており、在留期間が満了したら帰国しなければなりません。在留期間満了後も引き続き同一の在留資格で日本に滞在したい場合、いったん帰国して再度、在留資格認定証明書を取得して再入国することは当該外国人にとって大変な負担になってしまいます。
そこで、法務大臣が我が国に在留する外国人の在留を引き続き認めることが適当であると判断した場合に、在留期間の更新を認め在留の継続を引き続き可能とすることができます。
この手続きが、在留期間の更新手続きです。
更新申請のために必要な書類についてはこちらの入管HP上でも公開されています。
在留更新の規定は入管法21条1項から4項に定められています。
この条文にはどの様なことが書かれているか見てみましょう。
条文解説
入管法第21条
第1項 本邦に入国する外国人は、現に有する在留資格を変更することなく、在留期間の更新を受けることができる。
趣旨:日本に在留する外国人は、現在取得している在留資格を変更することなく在留資格を更新できます。と定めています。
第2項 前項の規定により在留期間の更新を受けようとする外国人は、法務省令で定める手続きにより、法務大臣に対し在留期間の更新を申請しなけれなならない。
趣旨:在留更新を受けようとする外国人は、管轄の入管で在留期間の更新申請手続きを行わなければなりません。なお在留期間の更新を申請しようとするが外国人は、在留期間の満了日までに在留更新申請書を管轄の入管に提出する必要があります(入管法施行規則21条1項)。
第3項 前項の規定による申請があった場合には、法務大臣は、当該外国人が提出した文書により在留期間の更新を適当と認めるに足りる相当の理由がある場合に限り、これを許可することができる。
趣旨:在留更新の審査は申請した外国人が提出した資料を元に審査を行います。
法務大臣が提出した申請書を元に在留更新を認めるに足りる「相当の理由」がある場合に更新を認めます。
どのような場合に更新が認められるのか
提出された資料に基づき更新申請の審査をするのは、実際には各地方出入国在留管理局の審査官です。
「在留期間の更新を適当と認めるに足りる相当の理由がある場合に限り」とありますが、在留許可を認めるかどうかは法務大臣の自由裁量とされ、在留の更新を希望する外国人が在留更新申請を在留期限内に行った事のみをもって、申請が必ず認められることを保障するものではありません。
在留期間の更新を認めるか否かの判断に当たっては、申請者の行おうとする活動、在留の状況、在留の必要性等を総合的に勘案して判断され、この判断に当たっては、在留更新申請の際のガイドラインとして、下記1~8までの事項が出入国在留管理局によって示されています。
1.在留更新により行おうとする活動が、申請に係わる入管法別表に掲げる在留資格に該当すること
在留更新で行おうとする活動が、入管法別表第一に掲げる在留資格に ついては同表の下欄に掲げる活動、入管法別表第二に掲げる在留資格については同表の下欄に掲げる身分又は地位を有する者としての活動であることが必要となります。
更新しようとする活動は上記の表に記載されているいずれかの在留資格に該当するものでなくてはなりません。
2.法務省令で定める上陸許可基準等に適合していること
法務省令で定める上陸許可基準は、外国人が日本に入国する際の上陸審査の基準 ですが、入管法別表第1の2の表又は4の表に掲げる在留資格の下欄に掲げる活動 を行おうとする者については、在留資格変更及び在留期間更新に当たっても原則 として上陸許可基準に適合していることが求められます。
3.現に有する在留資格に応じた活動を行っていたこと
申請人である外国人が、現に有する在留資格に応じた活動を行っていたことが必要です。
例えば、失踪した技能実習生や、除籍・退学後も在留を継続していた留学生については、現に有する在留資格に応じた活動を行わないで在留していたことについて正当な理由がある場合を除き、消極的な要素(在留更新を認めない方向での判断)として評価されます。
4. 素行が不良でないこと
素行については、善良であることが前提となり、良好でない場合には消極的な要素として評価され、具体的には、退去強制事由に準ずるような刑事処分を受けた行為、不法就労をあっせんするなど出入国在留管理行政上看過することのできない行為を行った場合は、素行が不良であると判断されることとなります。
5. 独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること
申請人の生活状況として、日常生活において公共の負担となっておらず、かつ、その有する資産又は技能等から見て将来において安定した生活が見込まれること(世帯単位で認められれば足ります )が求められますが、仮に公共の負担となっている場合であっても在留を認めるべき人道上の理由が認められる場合には、その理由を十分勘案して判断することとなります。
6. 雇用・労働条件が適正であること
我が国で就労している(しようとする)場合には、アルバイトを含めその雇用・労働条件が、労働関係法規に適合していることが必要です。
なお、労働関係法規違反により勧告等が行われたことが判明した場合は、通常申請人である外国人に責はないため、この点を十分に勘案して判断することとなります。
7.納税義務を履行していること
納税の義務がある場合には、当該納税義務を履行していることが求められ、納税 義務を履行していない場合には消極的な要素として評価されます。
例えば、納税義務の不履行により刑を受けている場合は、納税義務を履行していないと判断されます。
なお刑を受けていなくても高額の未納や長期間の未納などが判明した場合も悪質なものについては同様に取り扱います。
8. 入管法に定める届出等の義務を履行していること
入管法上の在留資格をもって我が国に中長期間在留する外国人の方は、入管法第 19条の7から第19条の13まで、第19条の15及び第19条の16に規定する在留カードの記載事項に係る届出、在留カードの有効期間更新申請、紛失等による在留カードの再交付申請、在留カードの返納、所属機関等に関する届出などの義務を履行していることが必要です。
上記1~8までの要件を全て充足しなければ在留更新申請は認められないのか、仮に一つでも要件を充足できなければ在留更新は認められないのか気になるところです。
実際にはどのくらい認められるのか
実際在留更新申請の許可率はどれくらいの割合で許可されてのか、2022年度で裁決のあった入管全体の許可率と各地方出入国在留管理局での許可率の割合をみると、入管全体では在留更新の許可率は98%、各地方出入国在留管理局ごとでは、札幌が99%、仙台が98%、東京が98%、名古屋が99%、大阪が99%、広島が99%、高松が99%、福岡が%とどの入管も98%以上の高い割合で在留更新が許可されています。
認められない場合とは?
では実際に在留更新が認められなかった1~2%の申請者には更新が認められなかった事情としてどのような消極的事情が考えられるかですが、在留更新申請を行い在留更新申請が認められなかった場合について、統計が出ているわけではありませんので実務上の感覚とありますが、およそガイドラインの4「素行善良要件」に問題があり、在留更新が認められないケースが多いように感じます。
例えば、1年以上の有罪判決が確定した場合や離婚や別居、失踪等で本来の在留資格に係わる活動を長期間行っていない場合等に在留更新が認められないケースがあるようです。
また、罰金刑でも素行が不良と判断される場合もありうるので要注意です。
では、在留期間中に何らかの犯罪を犯し有罪判決を受けた、あるいは罰金刑を受け確定した場合はどうすればいいのか?ということですが、申請者がやるべきことはまず第一に在留更新が認められるよう最大の努力をすべきということです。
在留期間の間に犯罪を犯し有罪判決が確定した場合は、反省文、理由書、嘆願書等を作成・提出して通常の在留更新審査で在留許可を認めてもらえるよう最善を尽くすということです。
それでも在留更新が認められなければ、在留特別許可等の方法を取ることを考えるべきです。仮に執行猶予がついたとしても1年以上の有罪判決が確定した場合、現行の入管の運用では更新不許可となり、自ら在留期限内に帰国した場合でも無期限上陸拒否(無期限で日本に入国できないこと)の処分が出されるので、上陸拒否の特例に該当しない限り二度と日本に再入国できなくなりますので注意が必要です。
在留期間中に罰金を含む刑事事件を起こしたときは、自分や周囲の意見だけで判断せずに、まずは入管業務を専門に行う弁護士・行政書士に相談することも重要だと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、在留期間中に事件をおこした方の在留更新申請も取り扱っておりますので、在留期間中に何らかの問題を起こして在留更新申請が通るかどうか不安な方は、お一人で悩まず是非ご相談ください。
お困りごとがある方はこちらからご相談ください。

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日本の在留資格制度,ビザ制度とは何か?

日本の在留資格制度について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
在留資格制度とは?
「在留資格制度は、出入国管理及び難民認定法(昭和26年政令第319号。以下「入管法」という。)における外国人の管理の基本となる制度です。
入管法は、我が国の外国人の受入れに関する政策に基づいて、入国・在留を認める外国人を、日本に在留する外国人が日本に在留する目的として行う活動(以下「在留活動」という。)の観点から類型化して定めています。
すなわち、我が国が入国・在留を認める対象となる外国人が行う在留活動を類型化し、その類型化した活動のそれぞれについて、日本に在留して当該活動を行うことができる資格としての在留活動を定めています。
そして、外国人は、入管法及び他の法律に特別の規定がある場合を除き在留資格がなければ日本在留することが出来ません(入管法第2条の2第1項)
日本に在留する外国人は、在留資格のいずれかに該当しなければ日本に滞在することはできません。
例えば恋人と一緒に日本で暮らしていきたいから在留資格を下さいという場合、「恋人と暮らす在留資格」は存在していないので、そのような理由では在留資格は認められません。
在留資格の申請は①日本に入国するために申請する手続き、②日本に入国してから滞在し続けるための申請の2種類があり、日本に入国してからの在留申請手続には、在留更新申請手続と在留変更申請手続
の2種類があります。
在留資格認定証明書について
日本で3カ月以上の中長期滞在を希望する外国人が、在留資格を取得するための最初の申請手続を在留資格認定証明書交付申請と言います。
この証明書は、「日本への入国を希望する外国人が、日本で行おうとする活動内容がいずれかの在留資格に該当するものである等の上陸の為の条件に適合するしていることを証明する」ものです。
日本に来たい外国人の居住予定地を管轄する地方出入国在留管理局で申請します。また事前に登録すればオンライン申請も可能です。日本で活動したい内容に応じた申請書・資料を提出します。
例えば日本人と結婚した外国人配偶者が日本で日本人配偶者と生活したい場合は、在留資格は「日本人の配偶者等」となります。日本人の配偶者としての活動を行うために必要な資料としては、双方の国の結婚証明書や出会いから結婚までのいきさつについての説明したもの(質問書)等があります。
在留更新・変更手続について
在留更新申請手続は、既に在留資格がある外国人が在留期間満了後も引き続き従来と同一の在留資格で日本に滞在したい場合に行う在留手続の事をいいます。
在留資格の変更は、例えば留学から技術・人文・国際業務への変更など、一旦帰国せずに従来の在留資格から新たな在留資格を始める際に行う手続きです。
在留資格の変更を申請する際には、新しい活動に応じた在留資格を選び、変更手続に必要な書類を管轄の入国管理局に提出する必要があります。
留学から技術・人文・国際業務へ変更する場合は、大学の卒業証明書、成績証明書、勤務先の雇用契約書や雇用後の活動計画書などが必要な書類となります。
なおこれらの手続きにおいては、申請書類の正確性と必要書類の見極めが非常に重要です。
申請書類に不備があると、在留申請が却下される可能性があり、最悪の場合は在留資格を失うことにもなりかねないので注意が必要です。
また更新手続申請は必ず在留期間の満了前に申請を行う必要があり、期限満了後の申請は超過滞在として原則として申請が受理されないので注意が必要です。
したがって、在留資格の更新や変更申請手続をスムーズに行うためには、計画的に手続きを進め、必要な書類を事前に準備しておくことが肝心です。
また、不明点がある場合は、専門家に相談することで、手続きの不備を未然に防ぐことができます。
永住資格申請について
永住者の在留資格は、在留活動に制限がなく、在留期間にも制限がないことから、永住許可に係る申請は、日本で暮らす外国人にとって最終の在留審査となります。
永住者の在留資格を取得するための基本的な条件には、原則10年以上の継続して日本に在留している事、10年の内5年以上、就労資格又は居住資格をもって引き続き日本に在留していることが必要です。
5年間分の市県道民税、2年間分の社会保険料の未納がないこと、独立した生計能力があること(公共の負担になっていないこと)が求められます。また申請者の在留期間が3年以上あることが申請の条件となります。
永住資格を取得することは、単に在留期間に制限がなくなるというだけでなく、在留活動に制限がなくなる等、他の在留資格と比較して多くのメリットを享受できます。
今後の入管手続きに向けたアドバイスとして
外国人が日本で生活を始めるために必要な入管手続きは、複雑で時間がかかることがありますが、適切な準備によってスムーズに進めることが可能となります。
このブログでは、在留資格認定証明書、在留資格の更新と変更、永住資格の取得、入管法違反と退去強制について解説しました。
在留資格申請におけるアドバイスとして、以下の事をアドバイスいたします。
入管手続きは早めに始め、余裕を持って申請しましょう。
提出書類は最新のものを用意し、書類に不備がないようにしましょう。
普段の生活では日本の法律を遵守し、在留資格の条件に沿った活動を心がけましょう。
在留資格で不明点がある場合は、入管業務の法律専門家に相談することをお勧めします。
在留資格についてご不安なことがある方は,こちらからお問い合わせください。

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上陸拒否の特例とは何か?再入国が認められる?

上陸拒否の特例について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
日本に入国を希望するも上陸拒否となり入国できないケースが存在します。
しかし、特別な条件下での特例があり、上陸拒否に該当していても入国が認められる場合もあります。
今回はAさんの事例をもとに、上陸拒否の特例について詳しく解説します。
1.上陸拒否とは何か?
日本に入国を希望する外国人が増える中、日本滞在中にオーバーステイや何らかの犯罪をして裁判所で有罪判決を受け強制送還の処分となると,5年又は10年の上陸拒否や犯罪の種類により無期限上陸拒否といった,日本への再入国が拒否されるケースがあります。
「上陸拒否」とは、特定の理由により、外国人が日本に入国することを許可されない状態を指します。
しかしながら一定の条件で上陸拒否を免れる「特例」が存在します。
例えば、家族の結合等の人道上の理由、日本での在留状況等で、特定の条件を満たす場合等です。
ここでは上陸拒否の基本的な概念と、それに関連する特例についての概要を説明します。
2.Aさんの事例紹介
Aさんは、20年以上日本に在住している定住者で、日本に仕事があり家族がいます。
彼は子供の頃に生まれた国から両親と日本に来て、日本の小、中、高で学んできました。
高校を卒業してからは,地元の大手メーカーへ就職しました。Aさんはこれまでの人生の大半を日本で過ごしてきました。彼の本国には知りあいがおらず、彼の友人は全員が日本に住んでいます。
ある日、Aさんは友人から受け取った大麻草を公園で吸っていたところを警察に発見され、逮捕されました。逮捕後、裁判所に起訴をされて執行猶予付きの有罪判決を受けました。
判決後、Aさんは在留更新を行いましたが更新は認められませんでした。
更新不許可後、Aさんは在留期間内に自主的に帰国しました。帰国して1年後日本への再入国を試みましたが、入国拒否となりました。
Aさんは、家族や仕事、失った日本での生活全てを取り戻すため、上陸拒否の特例を求める手続きを開始しました。
3.入管法の規定について
入管法第24条には、上陸を拒否される外国人の具体的な事由が列挙されています。これに該当する場合、原則として日本への入国は許可されません。
薬物事犯、不法入国、不法滞在、偽造・変造された旅券の使用など、多岐にわたる事由が上陸拒否の理由として挙げられています。
しかし、入管法には上陸拒否の特例に関する規定も存在します。特定の条件を満たす場合、法務大臣の裁決により、上陸が特別に許可されることがあります。
上陸拒否の特例を受けるためには、許可を認めてもらうだけの「相当の理由」が必要とされます。
この「相当の理由」には、家族との結びつきや、人道上の理由(日本での申請人の生活基盤、申請人や配偶者の健康状態など)が含まれます。
上陸拒否の特例を求める場合、関連する書類や証明資料を提出し、法務大臣の裁決を受けるプロセスを経る必要があります。(出入国及び難民認定法第5条のニ)
上陸拒否の特例の中でも、人道上の特別な事情は、上陸拒否の特例を認めるうえで重要なポイントとなります。
Aさんのケースでは、日本での滞在歴の長さや日本への定着性、本人の反省度、家族との結びつきなどが、人道上の特別な事情として考慮される要因となります。
4.再入国の方法について
上陸拒否を受けた外国人が日本に再入国するための手段として、在留資格認定証明書を通じた方法があります。
在留資格認定証明書は、外国人が日本に在留するための資格を有していることを証明する書類です。
この認定証明書を取得することで、再入国の際の上陸審査がスムーズに行われる可能性が高まります。
5.まとめ
上陸拒否事由に該当する事は、再入国するにあたりとても大きな障壁となりますが、上陸拒否の特例に必要な要件を満たすことで、この障壁を乗り越えることが可能です。
上陸拒否の特例を受けるためには、多くの証明書類の提出が必要となります。
上陸拒否の特例のプロセスは大変複雑であることから、是非入管業務の専門家のサポートを得ることをお勧めします。当事務所でも上陸特別許可に関するご相談はこちらから受け付けています。

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定住者の「素行善良要件」とは何か

定住者の「素行善良要件」について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
在留資格「定住者」を取得又は更新する際に重要な審査要件一つが「素行善良要件」です。
この記事では、「素行善良要件」が具体的にどのようなものなのか、そしてそれがどのように在留資格に影響するのかを事例を交えて詳しく解説します。
定住者の在留資格とは?
定住者の在留資格は、日本で安定して長期間滞在するための資格の一つです。
この資格にはいくつかの種類があり、それぞれに独自の要件が設定されています。
例えば、日系3世やその配偶者、日本人の子として出生した者の実子などが対象となる場合(告示定住),日本人、永住者又は特別永住者である配偶者等と離婚後引き続き日本に在留を希望する者が対象となる場合があります。(告示外定住)
定住者の在留資格を取得又は変更・更新するためには、いくつかの審査要件をクリアする必要があります。
その中でも重要なのが「素行善良要件」です。
「素行善良要件」とは何か?
「素行善良要件」とは、在留資格「定住者」を取得又は変更・更新する際の審査要件の一つです。
具体的には、以下のような状況が該当します。
日本国または他の国の法令に違反して、懲役、禁錮、罰金などに処せられたことがない。
少年法による保護処分が継続中でない。
日常生活や社会生活で、違法行為や風紀を乱す行為を繰り返していない。
他人に不正な行為を行ったり、不法就労のあっせんを行っていない。
つまり,法律や社会規範に反するような言動が無いことを言います。
この「素行善良要件」が満たされていないと、定住者の取得又は変更・更新が認められない可能性が高くなります。
素行善良要件の審査基準
素行善良要件の審査には、出入国在留管理局が設定したガイドラインがあります。
このガイドラインに基づき、以下のような点が評価されます。
過去の犯罪歴: 日本国内外での法令違反が評価されます。
現在の生活状況: 違法行為があるかどうか。
審査はケースバイケースで行われるため、一概には言えませんが、上記のような点が総合的に評価されます。
以下の事例で素行善良性について考えてみましょう。
事例1:スピード違反での逮捕・起訴
スピード違反で逮捕・起訴された場合、この場合は「素行善良要件」に大きな影響を与える可能性があります。
特に、逮捕・起訴が繰り返されると、その都度、在留資格の取得や更新が困難になる可能性が高まります。
逮捕・起訴された場合、以下のような影響が考えられます。
在留資格の取得: 新規で在留資格を取得する際、素行善良要件を満たしていないと判断される可能性が高くなります。
在留資格の変更・更新: 既に在留資格を持っている場合でも、更新時に再度審査が行われ、素行善良要件を満たしていないと判断されると、更新が認められない可能性があります。
このような状況を避けるためには、法令を遵守し、交通ルールを遵守し交通違反で検挙されないよう注意を払う必要があります。
事例2:スピード違反での反則金
スピード違反で反則金を支払った場合でも、これが「素行善良要件」に影響を与える可能性があります。
ただし、反則金の場合は逮捕・起訴されるケースよりも影響は軽微であることが多いです。
具体的な影響は以下の通りです。
在留資格の取得: 反則金を支払った場合でも、その他の素行善良要件がしっかりと満たされていれば、新規での在留資格取得は可能です。
在留資格の変更・更新: 既に在留資格を持っている場合、反則金の支払いが一度か二度程度であれば、更新時の審査に大きな影響はないとされています。
しかし、反則金の支払いが繰り返されると、その都度「素行善良要件」の審査で不利に働く可能性があります。
「素行善良要件」は、定住者の在留資格を取得または変更・更新する際に非常に重要な要素です。
事例を交えて説明しましたが、スピード違反などの法令違反を繰り返すと、この要件を満たしていないと判断される可能性が高くなります。
特に逮捕・起訴された場合や反則金の支払いが繰り返されると、在留資格の取得や変更・更新が困難になる可能性があります。
普段の生活では法令を遵守し、社会的に非難されるような行為を避けることが重要です。
「定住者」の在留資格について取得,変更,更新にお困りのことがある方は,こちらからお問い合わせください。

日本に在留する外国人の方が増える中,ビザや在留資格の手続きは複雑で分かりにくく,誤ると収容や強制送還のリスクも伴います。弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では,日本に在留する外国人の方,日本に入国したいという外国人の方やそのご家族の方のために最大限のサポートをさせていただきます。自分たちだけで悩まずに,どうぞお気軽にお電話下さい。
「経営・管理」のビザがとりやすくなった?

在留資格「経営・管理」の取得要件緩和について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が紹介します。
出入国在留管理庁は、外国人の起業を増やすために2024年度中に、「経営・管理」在留資格の要件に関する省令を改正する予定です。
日本国民や永住者、日本人の配偶者などの在留資格があれば、国内で自由に会社の経営や役員職につくことができますが、外国人は在留資格に応じてこれらの職に就くことについて制限されています。
「経営・管理」の在留資格とは、外国人が日本で会社経営や管理職として勤務ができる在留資格であり、以前は「投資・経営ビザ」として知られていましたが、現在では外国の資本が関与していなくても取得が可能となったため、名称が「経営・管理ビザ」に変更されています。
通常、「経営・管理」の在留資格での在留期間としては、3ヶ月から5年までの間の複数の期間が設定されていますが、申請者の提出した計画や状況により在留期間は決定され、初回では1年間が標準的な期間となっています。
外国人が「経営・管理」の在留資格を取得した場合、基本的には1年更新の在留資格であるため、原則として1年ごとに在留期間の更新手続きが必要になります。
「経営・管理」の在留資格の取得要件として、①独立した事業所の確保、②500万円以上の出資金又は2名以上の常勤職員の雇用、③事業の安定性・継続性が求められます。
以下、各取得要件についてご説明いたします。
・事務所の確保
「経営・管理」の在留資格を取得して日本で会社を設立するためには、事務所を確保する必要があり、「経営・管理」の在留資格を取得するには、独立した事務所が必要です。
事務所ごとに明確な仕切りがないバーチャルオフィスやレンタルオフィスでは事務所としては認められず、また原則として、自宅として利用しているアパート、マンションなどを事務所とすることもできません。
・事業規模の要件と安定性,継続性
「経営・管理」の在留資格を取得するためには、「経営・管理」の在留資格を取得する外国人本人による500万円の出資金又は日本に居住する常勤職員(日本人、特別永住者、日本人の配偶者、永住者等)を雇用するなどの事業規模が必要です。
設立する会社の事業に適正性、継続性と安定性があることも求められます。
事業内容や収支見込み、事業計画書などを提出して、適正性、継続性と安定性を示します。
ビジネスの実体があり、利益をだし事業継続できるのかという点について審査されることになります。
したがって、何年にもわたって赤字を出し続けることが想定される会社は認められません。
2024年度に独立した事業所の確保及び500万円以上の出資金の要件の緩和、在留期間が1年から2年への延長が予定されています。
また、在留期限の更新に際しても、一般的には毎年の更新が見込まれていますが、運営する事業経営状況や経営者の在留履歴、事業の規模、素行などに応じて、更新期間を2年や3年と延長することが許されるケースも存在します。
日本で会社を経営するために取得する「経営・管理」の在留資格では、学歴や職歴要件は要求されていませんが、誰でも申請ができる反面、日本で会社経営ができるのかという、事業規模と事業計画の面が厳しく審査されることになります。
2024年度の改正により、経営管理の在留資格取得の要件が緩和されると言われています。
具体的には、以下のように各取得要件が緩和がされる改正が予定されています。
従来は原則1年の在留期間であったのに対して、2年間に延長される予定です。
また、日本国内の独立した事業所の確保という要件についても、大学の研究室の一部などに拠点を設置する方法でも可能とされる予定です。
さらに、500万円の出資金又は2名以上の常勤職員の採用という要件についても、出資金なしでも可能とされる予定です。
これらの改正が実現されると、今まで認められなかった共同事務所での間借りやシェアオフィスでの事業所利用なども可能となります。
以上のように、外国人が起業しやすい環境をつくることで外国人起業家を増やしていく方向性が示されましたので、今後の法改正について注目が必要となります。

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「技術・人文・国際業務」の在留資格

日本には日本で働く外国人のために多くの就労資格がありますが、その中でも特に「技術・人文・国際業務」の在留資格は多くの日本で働く多くの外国人に選ばれています。
この記事では、「技術・人文・国際業務」の特徴、活動内容、審査基準などを事例を交えて詳しく解説します。
当サイトでも,「技術・人文知識・国際業務」の在留資格について解説をしています。
「技術・人文・国際業務」の在留資格とは?
在留資格の概要
技術・人文・国際業務の在留資格は、日本で働く外国人が取得することのできる就労資格の一つです。
この在留資格は、特に高度な専門性を持つ外国人が対象となります。
対象となる人
この在留資格は、日本の大学や専門学校に留学している留学生、または特定の専門性を持つ外国人が対象となります。
例えば、エンジニア、研究者、ビジネスマンなどが該当します。
日本で働くには、在留資格が必要です。
特に、この「技術・人文・国際業務」の在留資格は、高度な専門性が求められる職種で働く際に必要となります。
活動内容について
①理学、工学などの自然科学分野
この在留資格では、理学や工学などの自然科学の分野での活動が認められます。
具体的には、研究開発、製造技術、品質管理などが含まれます。
②法律学、経済学などの人文科学分野
法律学、経済学、社会学などの人文科学の分野でも、この在留資格での活動が可能です。
例として、法律コンサルタント、経済アナリスト、社会研究者などが考えられます。
③国際業務における活動分野
国際業務においても、この在留資格は適用されます。
具体的には、国際貿易、外国市場調査、国際プロジェクトマネジメントなどが該当します。
この在留資格で認められる活動内容は多岐にわたりますが、共通して高い専門性が求められる点が特徴です。
活動内容と審査の基準
出入国管理及び難民認定法に基づく基準
この在留資格の審査は、出入国管理及び難民認定法に基づいて行われます。
この法律には、在留資格を取得するための一定の基準が明示されています。
審査におけるポイント
審査では、申請者の専門性、経験、そして日本での活動内容が重要なポイントとなります。
具体的には、以下のような要素が評価されます。
専門的な資格やスキルの有無、過去の実績や経験、日本での活動計画とその実現可能性等です。
審査においては、申請者自身が高い専門性と実績を持っていることを資料を基に証明する必要があります。
在留資格取得のポイント
専門性と経験を明確に証明する資料が必要です。各種の申請書はこちらからもダウンロードできます。
日本での活動内容とその実現可能性が求められます。
日本でのサポートする組織や企業からの採用通知書が求められます。
注意すべき事項
在留資格の更新や変更には、早めに手続きを始めることが必要とされます
在留資格がない状態での活動は違法となるため、絶対に避ける必要があります
専門性や経験を高めるための継続的な学習とアップデートが必要となります。
「技術・人文知識・国際業務」の在留資格についてお困りのことがある方は弊所までご相談ください。

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ベトナム国籍の人との国際結婚とその手続き

「ベトナム人との国際結婚」について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が紹介します。
1.ベトナムと日本の婚姻制度の違い
日本では2022年4月以降は、婚姻可能年齢が男女ともに18歳と法改正がなされましたが、ベトナムでの結婚可能年齢は、男性20歳、女性18歳です。
日本では離婚や死別から100日間の再婚禁止期間が設けられていますが、ベトナムにおいては、女性に対して再婚禁止期間の定めはありません。
ベトナム人と日本人の国際結婚の手続きは、先に日本で結婚手続きを行うか、先にベトナムで結婚手続きを行うかによって変わってきます。
特に、ベトナムは社会主義国ですので、日本と比較して国家が国民生活に対して干渉する度合いが大きいです。
ビザ取得のための手続きや必要書類についてお困りのことがある方はこちらからお問い合わせください。
2.日本で先に結婚手続きを進める場合【日本先行方式】
まずは、ベトナム人に関する婚姻要件具備証明書(独身証明書)を、在日ベトナム大使館で発行してもらう手続きを行います。
その際の必要書類は、下記の通りです。
【ベトナム人が用意する書類】
・現住所証明書
・出生証明書
・婚姻状況証明書
・人民証明書(人民委員会が発行)
・パスポート(原本)
【日本人が用意する書類】
・パスポートの写し
・住民票
ベトナム人配偶者の婚姻要件具備証明書を受領したら、日本の市区役所等で婚姻届を提出します。
日本の市区役所等で婚姻届提出する際は、2人で手続きを行ってください。
その場合の必要書類は、下記の通りです。
・ベトナム人のパスポート
・日本人の戸籍謄本(本籍地の役所・役場に届け出る場合は不要)
日本の市区役所等で婚姻届を提出したら、婚姻届受理証明書を受領します。
その後、戸籍が変更されたら戸籍謄本を取得して、在日ベトナム大使館に対して「報告的届出」を行います。
その際の必要書類は、下記の通りです。
・戸籍謄本
・婚姻届受理証明書
・夫婦のパスポートの写し
3.ベトナムで先に結婚手続を進める場合【ベトナム先行方式】
まず、日本の地方公共団体に相当する「人民委員会」にて婚約申請を行います。
「人民委員会」にて婚約申請を行った後に、法務局で面接の予約を行います。
そして、法務局から指定された日時に面接を受けた後に、結婚登録が行われます。
その際に必要な書類は、下記の通りです。
【ベトナム人が用意する書類】
・人民証明書(人民委員会発行のもの)
【日本人が用意する書類】
・婚姻要件具備証明書(法務局発行)
・精神科医の健康診断書(ベトナム公立病院の医師発行)
・HIVなど感染症に関する診断書(保健所発行)
・パスポートの写し
結婚登録が行われると、婚姻証明書が発行されますので、その婚姻証明書を日本語翻訳文を用意します。上記の書類を準備して、在ベトナム日本大使館にて「報告的届出」を行います。
その際に必要な書類は、下記の通りです。
・婚姻届
・ベトナム法務局から発行された婚姻証明書とその日本語翻訳文
・ベトナム人のパスポートとその日本語翻訳文
・日本人の戸籍謄本
・夫婦のパスポートの写し
上記のいずれかの方法にてベトナム人と日本人の結婚が成立したとしても、ベトナム人が日本に在留するための「日本人の配偶者等」の在留資格が出入国在留管理局で認められるかどうかは、別の問題です。
特に、日本で長く在留したいと考える外国人の方が、「日本人の配偶者等」の在留資格を欲しいがために、日本人と偽装結婚をする外国人が増加しているため、出入国在留管理局は慎重に審査を行っています。現に,入管当局は偽装結婚を含む不法滞在,不法入国の疑いのある事例については広く情報提供を呼び掛けてさえいます。
真摯な婚姻であることの証明にお困りの方は、お気軽にお問い合わせください。

日本に在留する外国人の方が増える中,ビザや在留資格の手続きは複雑で分かりにくく,誤ると収容や強制送還のリスクも伴います。弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では,日本に在留する外国人の方,日本に入国したいという外国人の方やそのご家族の方のために最大限のサポートをさせていただきます。自分たちだけで悩まずに,どうぞお気軽にお電話下さい。
中国国籍の人との国際結婚とその手続き

「中国人との国際結婚」について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が紹介します。
1.中国と日本の婚姻制度の差異
日本では2022年4月以降は、婚姻可能年齢が男女ともに18歳と法改正がなされましたが、中国の婚姻可能年齢は男性22歳、女性20歳です。また、日本では離婚や死別から100日間の再婚禁止期間が設けられていますが、中国では6か月間と定められています。中国人と日本人の国際結婚の手続きは、先に日本で結婚手続きを行うか、先に中国で結婚手続きを行うかによって変わってきます。
2.日本で先に結婚手続きをする場合【日本先行方式】
【日本人が用意する書類】
・婚姻届
・戸籍謄本
【中国人が用意する書類】
・婚姻要件具備証明書(駐日中国大使館が発行)
・パスポート
<再婚の場合に中国人が用意する書類>
・離婚公証書または死亡公証書(※中国で結婚したことがあり、その配偶者と離婚・死別した経歴がある場合)
・婚姻届受理証明書または死亡届受理証明書(※日本で結婚したことがあり、その配偶者と離婚・死別した経歴がある場合)
上記の書類を取得して、2人で日本の市区役所等に婚姻届を提出します。
ビザ取得のための手続きや必要書類についてお困りのことがある方はこちらからお問い合わせください。
次に、中国での戸籍(居民戸口簿)を「既婚」に切り替えるため、日本の市区役所等から「婚姻届受理証明書」を発行してもらい、この婚姻受理証明書を外務省と在日中国大使館で認証してもらった上で、中国人の戸籍所在地の役所に、中国語翻訳文を添付して提出します。
<中国人が短期滞在で日本にいる場合>
先に日本で結婚手続きをする場合、中国大使館からの婚姻要件具備証明書の発行は、中国人が中長期滞在の在留資格を取得している場合に可能だとされています。
90日までの在留しか認められていない短期商用や親族訪問目的の短期滞在の在留資格で来日している場合、在日中国大使館から婚姻要件具備証明書の発行がされないルールになっていますので注意が必要です。
短期滞在ビザで日本に来ていた場合は、出生公証書・国籍公証書・未婚公証書を発行してもらい、その日本語訳文を添付した上で、日本の市区役所等に婚姻届を提出します。
ただし、通常は婚姻要件具備証明書がなければ受理されません。
婚姻要件具備証明書の代わりに出生公証書・国籍公証書・未婚公証書を出したという場合、市区役所等によっては婚姻届を受理してもらえない場合がありますので、受理してもらえない場合は、先に中国で婚姻手続きを行うしかありません。
3.中国で先に結婚手続きをする場合 【中国先行方式】
まず、下記の書類を取得した上で、2人で中国人の戸籍所在地にある「婚姻登記処」にて、結婚登記手続きを行うと、「結婚証」が発行され、正式に結婚が認められます。
【日本人が用意する書類】
・婚姻要件具備証明書(日本の法務局が発行し、外務省と在日中国大使館の認証済みのもの)
・婚姻要件具備証明書の中国語翻訳文
・パスポート
【中国人が用意する書類】
・居民戸口簿
・居民身分証
・パスポート
(※登記処によっては追加の必要書類が求められる場合もありますので、事前確認をお勧めします)
次に、日本人が3か月以内に、日本で「報告的届出」としての婚姻届の提出します。
この際、夫婦2人で行わなくても日本人の方が単独で提出することが可能です。
婚姻届の提出に必要な書類は、下記の通りです。
・婚姻届(この場合、日本人が1人で配偶者の欄も記入して問題ありません)
・中国人配偶者の出生公証書
・(中国人配偶者に離婚歴がある場合)離婚公証書
・これら公証書の日本語翻訳文
上記のいずれかの方法にて中国人と日本人の結婚が成立したとしても、中国人が日本に在留するための「日本人の配偶者等」の在留資格が出入国在留管理局で認められるかどうかは、別の問題です。
日本で「日本人の配偶者等」の在留資格を欲しいがために、日本人と偽装結婚をする外国人が増加しているため、出入国在留管理局は慎重に審査を行っています。
真摯な婚姻であることの証明にお困りの方は、お気軽にお問い合わせください。
4.婚姻後のビザの手続き
日本の手続きを先行していた場合,婚姻した後,配偶者を中国から日本へ外国人を呼び寄せる手続きを行う必要があります。
呼び寄せのためには,在留資格認定証明書の交付請求を行います。在留資格認定証明書とは,入国前に「日本でビザを取得したいのですが認められるでしょうか」という事前審査を受けたことの証明書です。この在留資格認定証明書を取得してから日本に入国することでスムーズにビザの取得ができます。
在留資格認定証明書は,日本で外国人を呼び寄せようとする人または弁護士,行政書士が取次申請人となって申請を行います。
在留資格認定証明書をもらうためには,呼び寄せようとする外国人が実際に日本でどのような活動をする予定なのかということをきちんと証明しなければなりません。書類に不備があると,たとえ真実結婚していたとしても,配偶者ビザが認められないということもあるのです。
一方,中国での手続きを先行させてから日本に来た場合,在留資格の変更手続きをしなければなりません。配偶者ビザへの変更については1~2か月程度かかることもあるため,その間に在留期限が切れてしまわないように注意する必要があります。
参考:法務省HP ビザの手続きに要する時間の統計
国際結婚とその後の外国人の呼び寄せ,在留資格の変更をご検討の方は,こちらからお問い合わせください。

日本に在留する外国人の方が増える中,ビザや在留資格の手続きは複雑で分かりにくく,誤ると収容や強制送還のリスクも伴います。弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では,日本に在留する外国人の方,日本に入国したいという外国人の方やそのご家族の方のために最大限のサポートをさせていただきます。自分たちだけで悩まずに,どうぞお気軽にお電話下さい。
フィリピン国籍の人との国際結婚とその手続き

「フィリピン人との国際結婚」について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が紹介します。
1.フィリピンと日本の婚姻制度の差異
日本では2022年4月以降は、婚姻可能年齢が男女ともに18歳と法改正がなされましたので、これはフィリピンのルールと一致します。
フィリピンは離婚が認められていませんが、それはあくまでもフィリピン人同士の結婚の場合であり、日本人とフィリピン人の国際結婚の場合は、離婚が可能です。
また日本では、女性のみに100日間の再婚禁止期間が設けられていますが、フィリピンでは、夫との死別の場合、女性に301日間の再婚禁止期間が設けられています。
ただ、フィリピン国内で制度上、離婚が想定されていないことから、離婚の場合の再婚禁止期間はないと考えられています。
日本で先に婚姻手続きを行うか、フィリピンで先に婚姻手続きを行うかによって流れが異なりますが、日本先行方式の方が流れはシンプルです。
ビザ取得のための手続きや必要書類についてお困りのことがある方はこちらからお問い合わせください。
2.日本で先に結婚手続きを進める場合【日本先行方式】
まず、在日フィリピン大使館で、フィリピン人の婚姻要件具備証明書(独身証明書)を取得します。
【フィリピン人が用意する書類】
・在留カード
・出生証明書(フィリピン統計局が発行したもの)
・婚姻記録不存在証明書(フィリピン統計局(PSA)から6か月以内に発行されたもの)
・証明写真3枚(パスポートサイズのもの)
・パスポート
【日本人が用意する書類】
・戸籍謄本
・証明写真3枚(パスポートサイズ)
・パスポート
上記の書類を取得して、必ず2人で在日フィリピン大使館を訪れ、婚姻要件具備証明書(独身証明書)を受領してください。
次に、日本の市区役所等に婚姻届を提出するにあたっての書類も取得します。
【フィリピン人が用意する書類】
・認証済み出生証明書(フィリピン統計局が発行し、フィリピン外務省の認証を受けたもの)
・認証済み婚姻記録不存在証明書(フィリピン統計局が発行し、フィリピン外務省の認証を受けたもの)
参考:日本の市役所での手続き,書類https://www.city.ayase.kanagawa.jp/soshiki/shiminka/yokuarushitsumon/3/4/3996.html
3.フィリピンで先に結婚手続きを進める場合【フィリピン先行方式】
まず、マニラ・セブ・ダバオにある在フィリピン日本領事館で、婚姻要件具備証明書を取得します。
日本人は、戸籍謄本とパスポート、フィリピン人はフィリピン統計局が発行した出生証明書を用意してください。
次に、地元の役場に婚姻要件具備証明書を提出して、婚姻許可証の発行を申請します。
婚姻許可証の有効期間は120日ですので、その期間内に挙式を行わなければなりません。
その婚姻証明書は、挙式から15日以内に民事登記官によって正式に登録されます。
民事登記官によって正式に登録されることによって、婚姻証明書の謄本が取得できるようになりますので、在フィリピン日本大使館又は日本の市区役所等に婚姻届を提出する手続きを行います。
【日本人が用意する書類】
・婚姻届
・戸籍謄本
【フィリピン人が用意する書類】
・婚姻証明書(フィリピン統計局発行のもの)
・出生証明書(フィリピン統計局発行のもの)
・これらの日本語翻訳文
上記に従い、フィリピン人との結婚が正式に成立したとしても、当該フィリピン人に「日本人の配偶者等」の在留資格が発行されるとは限りませんのでご注意ください。
4.婚姻後のビザの手続き
婚姻した後,フィリピンから日本へ外国人を呼び寄せる手続きを行う必要があります。
呼び寄せのためには,在留資格認定証明書の交付請求を行います。在留資格認定証明書とは,入国前に「日本でビザを取得したいのですが認められるでしょうか」という事前審査を受けたことの証明書です。この在留資格認定証明書を取得してから日本に入国することでスムーズにビザの取得ができます。
在留資格認定証明書は,日本で外国人を呼び寄せようとする人または弁護士,行政書士が取次申請人となって申請を行います。
在留資格認定証明書をもらうためには,呼び寄せようとする外国人が実際に日本でどのような活動をする予定なのかということをきちんと証明しなければなりません。書類に不備があると,たとえ真実結婚していたとしても,配偶者ビザが認められないということもあるのです。
国際結婚とその後の外国人の呼び寄せをご検討の方は,こちらからお問い合わせください。

日本に在留する外国人の方が増える中,ビザや在留資格の手続きは複雑で分かりにくく,誤ると収容や強制送還のリスクも伴います。弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では,日本に在留する外国人の方,日本に入国したいという外国人の方やそのご家族の方のために最大限のサポートをさせていただきます。自分たちだけで悩まずに,どうぞお気軽にお電話下さい。