本頁では「老親扶養」の「特定活動」について解説します。
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「老親扶養ビザ」とは何か?
日本に在住する外国人が自分の高齢の親を日本に招くための在留資格として「老親扶養」と呼ばれるものがあります。
これは在留資格「特定活動」一つであり、日本に在留する外国人が本国にいる高齢の親を日本で扶養するための在留資格です。
「老親扶養」は事前に上陸基準が決められていない活動すなわち「告示外活動」となるため、在留資格認定証明書では申請できず、「老親扶養」で親を呼び寄せる場合、最初に「短期滞在」で日本に上陸した後に、「短期滞在」の在留期間内に「特定活動」に在留資格変更手続を行う必要があります。
このビザの取得を希望する場合、呼び寄せ側は日本の入国管理局に対して、親を日本で扶養するための経済的及び社会的な基盤が整っていることを証明する必要があります。
「老親扶養ビザ」の申請資格と条件
老親扶養ビザの申請にはいくつかの条件があります。
まず、呼び寄せる親の年齢は原則70歳以上である必要があります。
また、親は本国に身寄りがおらず、単身又はそれに近い状況であることが求められます。
受入側は親を経済的に支える十分な能力が必要とされ、親に持病がある場合はその点も考慮されます。
これらの条件を満たすことで、老親扶養のための「特定活動」ビザへの資格変更が可能性が出てきます。
手続きの流れと必要書類
老親扶養ビザの申請での手順と必要書類について説明します。
初めに短期滞在ビザで親を日本に呼び寄せ、その後、在留資格「特定活動」への変更を申請します。
在留資格の変更許可申請について⇒https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/16-2.html
必要書類には、「短期滞在」から「特定活動」への在留資格変更証明書の他、親を扶養する側の勤務先の雇用契約書、在職証明書、税金の納税証明書、課税証明書、親の出生証明書、結婚証明書親が持病を抱える場合の証明として医師の診断書等があります。
これらの書類を準備し、入国管理局に提出します。
経済力の証明について
老親扶養ビザの申請では、扶養する側の経済力を証明する必要があります。
親が就労ができないのが原則なので、扶養する親の費用を賄えるだけの収入や資産があることの証明が求められます。これには、納税証明書・課税証明書等の収入の証明や納税状況を明らかにする書類、預貯金の残高証明書等があります。
これらの資料を通じて、申請者が長期にわたって親を支援する経済的余裕があることを示す必要があります。
老親扶養のビザについてはこちらの記事もご覧ください。
今後の見通し
現在のところ、「老親扶養」の特定活動は求められる要件のハードルが非常に高く、簡単に取得できる在留資格ではありません。
しかし現実には少子高齢化は日本だけの問題では無く、世界の多くの国々で見られる共通の問題であることから、
本国にいる親が心配で日本にいる子が親を引き取って面倒をみていきたいという需要は、これからますます増加していくことと思われます。
高齢の親の呼び寄せについて、難易度が高い「老親扶養」だけにに拘るのではなく、親が元気であれば日本で商売を始めてみるビザ(経営・管理ビザ)
の取得を考えてみるのも、親の呼び寄せの可能性を高める一つの方法だと思います。
老親扶養の特定活動の申請はかなり難易度が高い為、出来れば入管業務を扱う弁護士、行政書士の支援を受けると良いでしょう。
申請のプロセスや必要書類の準備についての具体的なアドバイスを得ることが可能となります。