在留資格「日本人の配偶者等」の在留資格で日本に滞在する外国人が、在留期間中に夫と離婚や死別した場合、当該外国人の在留資格はどうなるのか?という点について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
「日本人の配偶者等」の在留更新、変更許可のガイドラインについて
「行おうとする活動が申請に係わる入管法別表に掲げる入管法別表に掲げる在留資格に該当すること 申請人である外国人が行おうとする活動が、入管法別表第一に掲げる在留資格については同表の下欄に掲げる活動、入管法別表第二に掲げる在留資格については同表の下欄に掲げる身分又は地位を有する者としての活動」
(出入国在留管理庁ガイドライン)とあることから、原則として離婚や死別により、日本人の配偶者としての地位を失えば、日本人の配偶者としての在留資格の更新、変更許可は認められないことになります。
また入管法第22条の4第7項により、日本人又は永住者の配偶者が離婚又は死別により日本人又は永住者の配偶者としての活動を行っていない状態が6月以上続く場合は在留資格取消しの対象となります。
例えば長年日本人夫と連れ添い夫婦の間に日本人の子供がいて、その子供が日本の小学校や中学校に在学している場合でも、日本人の配偶者と離婚又は死別した外国人は日本人の配偶者としての活動が出来ないという理由で日本から退去しなければならないのでしょうか。
なお,配偶者が死亡した場合には,こちらのHPに従って必要な届出をしなければいけません。
法務省出入国在留管理局HP https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/nyuukokukanri10_00016.html
配偶者と離婚や死別した場合、日本に引き続き在留する方法
日本人配偶者と離婚又は死別した場合の外国人の在留資格について、特別な事情を考慮して入国・在留を認めることが適当である場合、「定住者」として在留資格を認める場合があります。
定住者の在留資格については、①一定の類型の地位を定めておき、そのいずれかに該当する場合にその入国・在留を認めるもの(定住者告示第1号~第8号まである)と、②個々に活動内容を判断して、その入国・在留を認めるもの(告示外定住)があります。
日本人配偶者と離婚又は死別して日本人配偶者の立場で活動できなくなった外国人の在留資格については、②の告示外定住として判断されます。
離婚後の定住ビザ,死別後の定住ビザについてはこちらの解説もご覧ください。
「出入国在留管理庁 入国・在留審査要領」によると、日本人配偶者と離婚後引き続き日本に在留を希望する場合の許可要件について以下のように規定されています。
①生計を営むに足りる資産又は技能を有すること
②日常生活に不自由しない程度の日本語能力を有しており、通常の社会生活を営むことが困難となるものでないこと
③公的義務を履行していること又は履行が認められること
上記の要件は日本人配偶者と離婚した元日本人配偶者の在留資格について、これらの要件を満たせば必ず「定住者」として在留資格が認められるわけではなく、最低限の許可要件を例示したものです。
日本人配偶者が死亡した後も引き続き日本に在留を希望する場合の許可要件についてですが、基本的に離婚して日本人の配偶者としての地位を失った場合と同じ許可要件です。
上記の要件を満たすことができる場合、離婚や死別して「日本人の配偶者等」の在留資格の要件を持たせなくなったとしても、「定住者」として日本に在留できる場合があります。
日本人パートナーと離婚又は死別したことで在留資格についてお悩みの時は是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。