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帰化について

帰化について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
帰化とは何か?
帰化とは、日本国籍の取得を希望する外国人からの意思表示に対して、法務大臣の許可によって、日本の国籍を与える制度です
国籍法には法第4条から第9条までで帰化について規定されています。
まずは国籍法第四条を見てみましょう。
第四条 日本国民でない者(以下「外国人」という。)は、帰化によって、日本の国籍を取得することができる。
2 帰化をするには、法務大臣の許可を得なければならない。
第四条では、外国人は帰化により日本国籍を取得することができると規定されています。
そして帰化のためには法務大臣に許可を得なければなりません。
外国人の申請者が帰化許可申請手に始まり、帰化を許可するだけの条件がそろっているかの調査を経て、法務大臣が帰化の可否の処分を行うことで終了する一連の流れが帰化手続きになります。
帰化の一般的条件については五条で規定されています。
第五条 法務大臣は、次の条件を備える外国人でなければ、その帰化を許可することができない。
一 引き続き五年以上日本に住所を有すること。
二 二十歳以上で本国法によつて行為能力を有すること。
三 素行が善良であること。
四 自己又は生計を一にする配偶者その他の親族の資産又は技能によつて生計を営むことができること。
五 国籍を有せず、又は日本の国籍の取得によつてその国籍を失うべきこと。
六 日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを企て、若しくは主張し、又はこれを企て、若しくは主張する政党その他の団体を結成し、若しくはこれに加入したことがないこと。
第五条は、帰化許可を希望する外国人に対して法務大臣が日本への許可を与える条件を定めたものです。
日本国と特別な関係に立たない外国人の帰化である帰化の条件を定めています。このような帰化を普通帰化といいます。
本条の1から6までの帰化に関する条件は、帰化許可の最小限の必須条件であり、これらの条件を満たしていたとしても、必ず帰化が許可されるとは限りません。次に条文の内容について確認していきます。
1 住所条件(国籍法第5条第1項第1号)
帰化申請者が日本と場所的関連性があることが帰化の判断をするうえで重要な条件として最初に規定されています。帰化の申請をする時まで、引き続き5年以上日本に住んでいることが必要です。
これまでに五年間以上、継続して住所を有していても、帰化申請時に外国に住所があったり、前後を通じて五年以上住所があったとしても途中で中断していた場合は、「引き続き五年以上日本に住んでいる」の要件には該当しません。
なお、住所は、適法なものである必要があり、正当な在留資格を有していることが求められます。在留資格のない不法滞在者は帰化申請ができません。
2 能力条件(国籍法第5条第1項第2号)
年齢が18歳以上であって、かつ、本国の法律によっても成人の年齢に達していることが必要です。
日本の成人年齢は18歳以上ですが本国(帰化申請をする外国人の出身国)の成人年齢が20歳の場合は20歳になるまでは能力要件を満たさないことになります。
3 素行条件(国籍法第5条第1項第3号)
帰化により日本人となった者により社会の安全が害されては困るのでこのような規定が設けられました。素行が善良であることが必要です。
素行が善良であるかどうかは、犯罪歴の有無や態様、納税状況や社会への迷惑の有無等を総合的に考慮して、通常人を基準として、社会通念によって判断されることとなります。
4 生計条件(国籍法第5条第1項第4号)
生活に困るようなことがなく、日本で暮らしていけることが必要です。この条件は生計を一つにする親族単位で判断されますので、申請者自身に収入がなくても、配偶者やその他の親族の資産又は技能によって安定した生活を送ることができれば、この条件を満たすこととなります。
生計を一つにする親族単位で判断されるので、たとえば親と別居し、親の仕送りで大学に通っている成年の子供もこの条件を満たすことになります。
5 重国籍防止条件(国籍法第5条第1項第5号)
帰化しようとする方は、無国籍であるか、原則として帰化によってそれまでの国籍を喪失することが必要です。
なお、例外として、本人の意思によってその国の国籍を喪失することができない場合については、この条件を備えていなくても帰化が許可になる場合があります(国籍法第5条第2項)。
6 憲法遵守条件(国籍法第5条第1項第6号)
日本の政府を暴力で破壊することを企てたり、主張するような者、あるいはそのような団体を結成したり、加入しているような者は帰化が許可されません。
なお、日本と特別な関係を有する外国人(日本で生まれた者、日本人の配偶者、日本人の子、かつて日本人であった者等で、一定の者)については、上記の帰化の条件を一部緩和しています(国籍法第6条から第8条までに規定されています)。これを簡易帰化といいます。
簡易帰化について
簡易帰化については、条文上次のように定められています。
第六条 次の各号の一に該当する外国人で現に日本に住所を有する者については、法務大臣は、その者が前条第一項第一号に掲げる条件を備えていないときでも、帰化を許可することができる。
一 日本国民であった子(養子を除く。)で引き続き三年以上日本に住所又は居所を有する者
二 日本で生まれた者で三年以上日本に住居若しくは居所を有し、又はその父若しくは居所を有し、又はその父若しくは母(養父母を除く。)が日本で生まれたもの
三 引き続き一〇年以上日本に居所を有する者
本条は、日本国民と一定の血縁関係があるか、日本と一定の地縁関係がある外国人であって日本に住所がある外国人が帰化をする場合には、帰化条件の一つである居住要件(五条一項一号)を必要としないこととしたものです。帰化条件の一部を緩和した簡易帰化に関する規定です。
第六条では居住要件を緩和しています。
国籍法第七条
日本国民の配偶者たる外国人で引き続き三年以上日本に住所又は居所を有し、かつ、現に日本に住所を有する者については、法務大臣は、その者が第五条第一項第一号及び第二号の条件を備えないときでも、帰化を許可することができる。日本国民の配偶者たる外国人で婚姻の日から三年を経過し、かつ、引き続き一年以上日本に住所を有するものについても同様とする。
三年以上日本に住所または居所を有し、かつ、現在日本に住所を有する者であるか、または、婚姻の日から三年を経過し、かつ、引き続き一年以上日本に住所を有する場合に、国籍法第五条一項、二項で規定する住所要件と能力要件を緩和するものです。
日本国民の配偶者である外国人というためには、日本国民と外国人の婚姻が有効に成立し、かつ、帰化申請時に婚姻が継続していることが必要です。いわゆる偽装結婚は対象にはなりません。
第八条
次の各号の一に該当する外国人については、法務大臣は、その者が第五条第一項第一号、第二号及び第四号の条件を備えていないときでも、帰化を許可することができる。
一 日本国民の子(養子を除く)で日本に住所を有するもの
二 日本国民の養子で引き続き一年以上日本に住所を有し、かつ、縁組の時本国法により未成年であったもの
三 日本で生まれ、かつ、出生の時から国籍を有していない者でその時から引き続き三年以上日本に住所を有するもの
本条は前二条よりもさらに日本社会と密接な関係を有する者につき居住要件(五条二項一号)、能力条件(同条同項二号)および生計条件(同条同項四号)を、免除して、五条に規定する帰化条件のうち素行条件、重国籍防止要件、憲法遵守条件を満たせば、法務大臣が帰化を許可することができるというものです。
第九条
日本に特別の功労のある外国人については、法務大臣は、第五条第一項の規定にかかわらず、国会の承認を得て、その帰化を許可することができる。
日本に特別の功労のある外国人に対して、五条第一項に定める帰化条件を全く備えていなくても、法務大臣は国会の承認を得て帰化を許可することができます。
大帰化と呼ばれています。
帰化許可申請の方法について
本人(15歳未満のときは、父母などの法定代理人)が自ら申請先に出向き、書面によって申請することが必要です。
その際には、帰化に必要な条件を備えていることを証する書類を添付するとともに、帰化が許可された場合には、その方について戸籍を創設することになりますので、申請者の身分関係を証する書類も併せて提出する必要があります。
帰化の手続きに関しては、こちらの法務省HPにも手続きの説明があります。
申請先
住所地を管轄する法務局・地方法務局
帰化許可申請に必要となる主な書類
1 帰化許可申請書(申請者の写真が必要となります。)
2 親族の概要を記載した書類
3 帰化の動機書
4 履歴書
5 生計の概要を記載した書類
6 事業の概要を記載した書類
7 住民票の写し
8 国籍を証明する書類
9 親族関係を証明する書類
10 納税を証明する書類
11 収入を証明する書類
以上、帰化申請について該当条文を中心に解説しました。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、帰化申請手続きを取り扱っております。
帰化について疑問等があるときは、是非弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで
お問合せください。
帰化について不安なこと,心配事がある方はこちらからお問い合わせください。

日本に在留する外国人の方が増える中,ビザや在留資格の手続きは複雑で分かりにくく,誤ると収容や強制送還のリスクも伴います。弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では,日本に在留する外国人の方,日本に入国したいという外国人の方やそのご家族の方のために最大限のサポートをさせていただきます。自分たちだけで悩まずに,どうぞお気軽にお電話下さい。
不法就労とは何か

不法就労の実態と法的対応について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
在留外国人の増加に比例して、在留外国人の日本での不法就労が深刻な社会問題となりつつあります。
ここでは不法就労の定義、事例、および不法就労者を雇用した場合の法的対応について、事例を交えながら詳しく解説します。
不法就労とは何か
不法就労とは、適切な在留資格や就労許可なく日本で働く行為を指します。これには、在留資格の条件に反して働くことや、在留資格なしで働くことが含まれます。不法就労は、失踪者側が金銭を得る目的による経済的な必要性、雇用者側の責任による労働環境の悪化等によって引き起こされます。
不法就労は、不法就労者の労働者としての権利侵害や雇用保険・労働災害保険等、社会における労働保障システムへの悪影響をもたらします。
不法就労は出入国管理及び難民認定法(以下法)違反であり、刑事罰の対象となります。
また不法就労者だけではなく、不法就労者を雇用する側も罰せられる場合があります(不法就労助長罪:法73条の2第1項)。
不法就労は日本の法律に違反する行為であり、刑事罰の対象となります(法第70条第4項)。
具体的には、不法就労者は逮捕や拘留、罰金、さらには強制退去の対象となることがあります。(法第24条四項ロ)
不法就労が発覚した場合、捜査機関はまず、在留資格の有無や就労の事実を調査します。
その後、不法就労者は出入国管理局による調査を受け、場合によっては退去強制令書が発行されます。
このプロセスは、個々の事情に応じて異なる場合があります。
雇い主として気をつけること
不法就労を助長する雇用者に対しては、罰金や刑事訴追の対象となることがあります。
これは、不法就労を防止し、社会における適切な労働環境を保持するための重要な措置です。
雇用者は、外国人労働者の在留資格を確認し、法律を遵守する責任があります。
不法就労を防止するためには、政府と企業の両方が積極的な役割を果たす必要があります。
外国籍の人を雇い入れる場合、雇い主としてはビザ・パスポートの有効性を確認しておきましょう。
昨今、偽造のパスポートや在留カードを用いて就労を図ろうという事案も発生してます。
偽造の在留カードやパスポートを使われた場合、事業主としても可能な限り「有効なものか/偽造ではないか」を確認しておかなければいけません。
出入国在留管理局のホームページで、在留カードが偽造のものではないかどうか簡単にチェックすることができます。
こちらのサイトから確認することができます。確認の際には在留カードの番号と在留期限を入力する必要がありますので、事前に確認しておきましょう。
この問題の厄介な所は、不法就労をした外国人のみならず、不法就労の外国人を雇い入れた事業者側も処罰の対象となることです。仮に雇い入れた外国人が不法就労者であったとしても、在留資格を確認しなかった等事業者側にも過失がある場合には不法就労助長罪が適用される虞があります。
不法就労について疑問点や気になることがあるときは、一人で悩まずに是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までお問い合わせください。
不法就労事件についてお困りの方、心配なことがある方はこちらからお問い合わせください。

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在留期間の更新手続きについて

「在留期間の更新について」弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
在留期間の更新とは文字通り、「現に有する在留資格を変更することなく在留期間を更新すること」をいいます(出典:入管法大全第2版P285)。
在留資格には在留期間が定められており、在留期間が満了したら帰国しなければなりません。在留期間満了後も引き続き同一の在留資格で日本に滞在したい場合、いったん帰国して再度、在留資格認定証明書を取得して再入国することは当該外国人にとって大変な負担になってしまいます。
そこで、法務大臣が我が国に在留する外国人の在留を引き続き認めることが適当であると判断した場合に、在留期間の更新を認め在留の継続を引き続き可能とすることができます。
この手続きが、在留期間の更新手続きです。
更新申請のために必要な書類についてはこちらの入管HP上でも公開されています。
在留更新の規定は入管法21条1項から4項に定められています。
この条文にはどの様なことが書かれているか見てみましょう。
条文解説
入管法第21条
第1項 本邦に入国する外国人は、現に有する在留資格を変更することなく、在留期間の更新を受けることができる。
趣旨:日本に在留する外国人は、現在取得している在留資格を変更することなく在留資格を更新できます。と定めています。
第2項 前項の規定により在留期間の更新を受けようとする外国人は、法務省令で定める手続きにより、法務大臣に対し在留期間の更新を申請しなけれなならない。
趣旨:在留更新を受けようとする外国人は、管轄の入管で在留期間の更新申請手続きを行わなければなりません。なお在留期間の更新を申請しようとするが外国人は、在留期間の満了日までに在留更新申請書を管轄の入管に提出する必要があります(入管法施行規則21条1項)。
第3項 前項の規定による申請があった場合には、法務大臣は、当該外国人が提出した文書により在留期間の更新を適当と認めるに足りる相当の理由がある場合に限り、これを許可することができる。
趣旨:在留更新の審査は申請した外国人が提出した資料を元に審査を行います。
法務大臣が提出した申請書を元に在留更新を認めるに足りる「相当の理由」がある場合に更新を認めます。
どのような場合に更新が認められるのか
提出された資料に基づき更新申請の審査をするのは、実際には各地方出入国在留管理局の審査官です。
「在留期間の更新を適当と認めるに足りる相当の理由がある場合に限り」とありますが、在留許可を認めるかどうかは法務大臣の自由裁量とされ、在留の更新を希望する外国人が在留更新申請を在留期限内に行った事のみをもって、申請が必ず認められることを保障するものではありません。
在留期間の更新を認めるか否かの判断に当たっては、申請者の行おうとする活動、在留の状況、在留の必要性等を総合的に勘案して判断され、この判断に当たっては、在留更新申請の際のガイドラインとして、下記1~8までの事項が出入国在留管理局によって示されています。
1.在留更新により行おうとする活動が、申請に係わる入管法別表に掲げる在留資格に該当すること
在留更新で行おうとする活動が、入管法別表第一に掲げる在留資格に ついては同表の下欄に掲げる活動、入管法別表第二に掲げる在留資格については同表の下欄に掲げる身分又は地位を有する者としての活動であることが必要となります。
更新しようとする活動は上記の表に記載されているいずれかの在留資格に該当するものでなくてはなりません。
2.法務省令で定める上陸許可基準等に適合していること
法務省令で定める上陸許可基準は、外国人が日本に入国する際の上陸審査の基準 ですが、入管法別表第1の2の表又は4の表に掲げる在留資格の下欄に掲げる活動 を行おうとする者については、在留資格変更及び在留期間更新に当たっても原則 として上陸許可基準に適合していることが求められます。
3.現に有する在留資格に応じた活動を行っていたこと
申請人である外国人が、現に有する在留資格に応じた活動を行っていたことが必要です。
例えば、失踪した技能実習生や、除籍・退学後も在留を継続していた留学生については、現に有する在留資格に応じた活動を行わないで在留していたことについて正当な理由がある場合を除き、消極的な要素(在留更新を認めない方向での判断)として評価されます。
4. 素行が不良でないこと
素行については、善良であることが前提となり、良好でない場合には消極的な要素として評価され、具体的には、退去強制事由に準ずるような刑事処分を受けた行為、不法就労をあっせんするなど出入国在留管理行政上看過することのできない行為を行った場合は、素行が不良であると判断されることとなります。
5. 独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること
申請人の生活状況として、日常生活において公共の負担となっておらず、かつ、その有する資産又は技能等から見て将来において安定した生活が見込まれること(世帯単位で認められれば足ります )が求められますが、仮に公共の負担となっている場合であっても在留を認めるべき人道上の理由が認められる場合には、その理由を十分勘案して判断することとなります。
6. 雇用・労働条件が適正であること
我が国で就労している(しようとする)場合には、アルバイトを含めその雇用・労働条件が、労働関係法規に適合していることが必要です。
なお、労働関係法規違反により勧告等が行われたことが判明した場合は、通常申請人である外国人に責はないため、この点を十分に勘案して判断することとなります。
7.納税義務を履行していること
納税の義務がある場合には、当該納税義務を履行していることが求められ、納税 義務を履行していない場合には消極的な要素として評価されます。
例えば、納税義務の不履行により刑を受けている場合は、納税義務を履行していないと判断されます。
なお刑を受けていなくても高額の未納や長期間の未納などが判明した場合も悪質なものについては同様に取り扱います。
8. 入管法に定める届出等の義務を履行していること
入管法上の在留資格をもって我が国に中長期間在留する外国人の方は、入管法第 19条の7から第19条の13まで、第19条の15及び第19条の16に規定する在留カードの記載事項に係る届出、在留カードの有効期間更新申請、紛失等による在留カードの再交付申請、在留カードの返納、所属機関等に関する届出などの義務を履行していることが必要です。
上記1~8までの要件を全て充足しなければ在留更新申請は認められないのか、仮に一つでも要件を充足できなければ在留更新は認められないのか気になるところです。
実際にはどのくらい認められるのか
実際在留更新申請の許可率はどれくらいの割合で許可されてのか、2022年度で裁決のあった入管全体の許可率と各地方出入国在留管理局での許可率の割合をみると、入管全体では在留更新の許可率は98%、各地方出入国在留管理局ごとでは、札幌が99%、仙台が98%、東京が98%、名古屋が99%、大阪が99%、広島が99%、高松が99%、福岡が%とどの入管も98%以上の高い割合で在留更新が許可されています。
認められない場合とは?
では実際に在留更新が認められなかった1~2%の申請者には更新が認められなかった事情としてどのような消極的事情が考えられるかですが、在留更新申請を行い在留更新申請が認められなかった場合について、統計が出ているわけではありませんので実務上の感覚とありますが、およそガイドラインの4「素行善良要件」に問題があり、在留更新が認められないケースが多いように感じます。
例えば、1年以上の有罪判決が確定した場合や離婚や別居、失踪等で本来の在留資格に係わる活動を長期間行っていない場合等に在留更新が認められないケースがあるようです。
また、罰金刑でも素行が不良と判断される場合もありうるので要注意です。
では、在留期間中に何らかの犯罪を犯し有罪判決を受けた、あるいは罰金刑を受け確定した場合はどうすればいいのか?ということですが、申請者がやるべきことはまず第一に在留更新が認められるよう最大の努力をすべきということです。
在留期間の間に犯罪を犯し有罪判決が確定した場合は、反省文、理由書、嘆願書等を作成・提出して通常の在留更新審査で在留許可を認めてもらえるよう最善を尽くすということです。
それでも在留更新が認められなければ、在留特別許可等の方法を取ることを考えるべきです。仮に執行猶予がついたとしても1年以上の有罪判決が確定した場合、現行の入管の運用では更新不許可となり、自ら在留期限内に帰国した場合でも無期限上陸拒否(無期限で日本に入国できないこと)の処分が出されるので、上陸拒否の特例に該当しない限り二度と日本に再入国できなくなりますので注意が必要です。
在留期間中に罰金を含む刑事事件を起こしたときは、自分や周囲の意見だけで判断せずに、まずは入管業務を専門に行う弁護士・行政書士に相談することも重要だと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、在留期間中に事件をおこした方の在留更新申請も取り扱っておりますので、在留期間中に何らかの問題を起こして在留更新申請が通るかどうか不安な方は、お一人で悩まず是非ご相談ください。
お困りごとがある方はこちらからご相談ください。

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難民認定制度とはなにか

2023年6月9日、出入国管理及び難民認定法が改正され、令和5年12月1日から順次施行されることが決まりました。
我が国における難民認定についてどのような制度がとられているのかについて、難民認定申請で適用される条文の解説を中心に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
難民認定手続きについてはこちらもご参考下さい。
「難民」とは?
そもそも難民とは具体的にどのような人たちを指しているのでしょうか?「難民」の定義については、難民条約1条において以下のように定義されています。
第1条【「難民」の定義】
(a)人種、宗教、国籍若しくは特定の社会的集団の構成員であること又は政治的意見を理由に、迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖を有すること
(b)国籍国の外にいる者であること
(c)その国籍国の保護を受けることができない、又はそのような恐怖を有するためにその国籍国の保護を受けることを望まない者であること
の3つの要件に該当する人を定義しています。「外務省HP」
以下,それぞれ解説をします。
(a)「迫害」について
「迫害を受けるおそれ」があるというのは,次のような状況にあることを言います。
「原則として政府の行為であり、一般の私的機関や私人によるものは、通常「迫害」になりません。
ただし、事実上政府と同様の立場にある機関の行為や、私的機関の行為であっても、政府がそれを意図的に容認し若しくは放置している場合には、「迫害」にあたり得る。」
次に「迫害」は、「人種、宗教、国籍若しくは特定の社会的集団の構成員であること又は政治的意見」を理由とするものでなければいけません。」
「「迫害」を受ける恐れがあるという十分な理由のある恐怖を有していたとしても、その「迫害」がこれらの理由によらない「迫害」である場合には、「難民」に該当しない。」
とされています。
「恐怖」の要件について
恐怖が十分に理由のあるもの「十分に理由のある恐怖」であることが必要であり、「十分に理由のある恐怖」といえるためには内心の恐怖が、客観的な状況により裏付けられていなければなりません。
「入管法大全P570」
我が国における難民認定申請手続きについて
外国人が難民を求める手続きは、出入国管理及び難民認定法(以下法)第61条の2で規定されています。
【難民の認定】【第61条の2 】
法務大臣は、本邦にある外国人から法務省令で定める手続きにより申請があったときは、その提出した資料に基づき、その者が難民である旨の認定(以下「難民の認定」という。)を行うことができる。
以下,条文の要件について解説します。
【本邦にある外国人】
日本の領域内にいる外国人・日本の領域内にいる外国人。不法滞在も含まれます。実際に日本の領域内にいることが必要です。
我が国の在外公館に庇護を求めて入ってきた者が、そこで難民申請を行うことはできません。
【法務省令で定める手続きにより】
法務省令では以下のように定められています。
入管法施行規則55条により難民認定を申請しようとする外国人は、申請書及び難民に該当することを証する書類を資料並びに写真を地方入国管理局に出頭して提出しなければならない。ただし、身体の故障その他申請書を作成することができない特別な事情がある者にあっては、申請書の提出に代えて申請書に記載すべき事項を陳述することができる。
(規則55条3項)
当該外国人が16歳に満たない者であるとき又は疾病その他の事由により自ら出願することができないときは、当該外国人の父若しくは母、配偶者、子又は親族がその者に代わって申請を行うことができる。
【申請があったときは】
難民の認定は、認定を受けようとする外国人からの申請を受けて行われるという意味です。
【その提出した資料に基づき】
難民であることの立証責任は、難民の申請をした外国人にあるということです。
なお法第61条の2の14で、法務大臣は、難民の認定に関する処分を行うために必要がある場合には、難民調査官に事実の調査をさせることができます。
難民調査官は、事実の調査として、難民の認定を行った外国人が提出した資料についてその真偽を調べ、また、必要があれば、当該外国人に対して更なる資料の提出を求め、自らも調査を行って法務大臣が難民の認定の可否を判断するために必要な資料の収集を行う。
法務大臣は難民調査官の調査の結果を踏まえ難民認定の可否を判断します。
「入管法大全562~563」
法務大臣の判断には以下3種類の判断があります。
①難民認定・在留許可
②難民不認定・人道的配慮による在留許可
③難民不認定・在留不許可
難民不認定の処分・難民認定の取消しの処分に不服のある外国人は、法第61条の2の9第一項により法務大臣に対して異議申し立てをすることができます。
「法第61条の2の9第一項」
次に掲げる処分に不服のある外国人は、法務省令で定める事項を記載した書面を提出して、法務大臣に対して異議申立てをすることができる。
一 難民の認定をしない処分
二 第61条の2の7第1項の規定による難民の認定の取消し
この異議の申立ては難民申請を行った外国人が処分の通知を受けた日から7日以内に行う必要があります。
【申立て期間の特例】
法61条の2の9第二項で定める異議申立期間については行政不服審査法の特則を定める規定となっています。
行政不服審査法第4条第1項は、「外国人の出入国又は帰化に関する処分(第10号)」を行政不服審査法の規定による審査請求及び異議申立ての対象から除外していますが、
難民の認定に関する処分は除外していない。」ので、難民の認定をしない処分・難民の認定の取消しの処分に対しては、異議申立てが認められます。
行政不服審査法第45条の規定する異議申立期間は60日間のところ、難民の認定をしない処分については第61条の2第2項の通知を受けた日から、
また、難民の認定の取消しについては、第61条の2の7第2項の通知を受けた日からそれぞれ7日以内とすると定めています。
行政不服審査法による異議申立て期間よりも短い期間が定められているのは、難民であるか否かは、難民申請を行った外国人が最もよく知りうる立場にあることによります。
【法61条の2の9第3項ー難民審査参与員の意見聴取】
法務大臣は、難民の認定をしない処分又は難民の認定の取消しに対する異議申立てに対する決定を行うにあたっては、難民参与員の意見を聞かなければならないと定めています。
難民参与員は諮問機関であり難民参与員の意見には法的拘束力はありません。
3人の難民参与員によって構成される班が、一つの異議申立て案件を担当し合議制ではありません。それぞれが異なる意見を提出することもありえます。
法務大臣は難民参与員の意見を参考にしながら、難民の認定をしない処分又は難民の認定の取消しに対する異議申立てに対する決定を行います。
以上が難民認定申請から法務大臣の裁決までの条文上での流れになります。

日本に在留する外国人の方が増える中,ビザや在留資格の手続きは複雑で分かりにくく,誤ると収容や強制送還のリスクも伴います。弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では,日本に在留する外国人の方,日本に入国したいという外国人の方やそのご家族の方のために最大限のサポートをさせていただきます。自分たちだけで悩まずに,どうぞお気軽にお電話下さい。
日本の在留資格制度,ビザ制度とは何か?

日本の在留資格制度について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
在留資格制度とは?
「在留資格制度は、出入国管理及び難民認定法(昭和26年政令第319号。以下「入管法」という。)における外国人の管理の基本となる制度です。
入管法は、我が国の外国人の受入れに関する政策に基づいて、入国・在留を認める外国人を、日本に在留する外国人が日本に在留する目的として行う活動(以下「在留活動」という。)の観点から類型化して定めています。
すなわち、我が国が入国・在留を認める対象となる外国人が行う在留活動を類型化し、その類型化した活動のそれぞれについて、日本に在留して当該活動を行うことができる資格としての在留活動を定めています。
そして、外国人は、入管法及び他の法律に特別の規定がある場合を除き在留資格がなければ日本在留することが出来ません(入管法第2条の2第1項)
日本に在留する外国人は、在留資格のいずれかに該当しなければ日本に滞在することはできません。
例えば恋人と一緒に日本で暮らしていきたいから在留資格を下さいという場合、「恋人と暮らす在留資格」は存在していないので、そのような理由では在留資格は認められません。
在留資格の申請は①日本に入国するために申請する手続き、②日本に入国してから滞在し続けるための申請の2種類があり、日本に入国してからの在留申請手続には、在留更新申請手続と在留変更申請手続
の2種類があります。
在留資格認定証明書について
日本で3カ月以上の中長期滞在を希望する外国人が、在留資格を取得するための最初の申請手続を在留資格認定証明書交付申請と言います。
この証明書は、「日本への入国を希望する外国人が、日本で行おうとする活動内容がいずれかの在留資格に該当するものである等の上陸の為の条件に適合するしていることを証明する」ものです。
日本に来たい外国人の居住予定地を管轄する地方出入国在留管理局で申請します。また事前に登録すればオンライン申請も可能です。日本で活動したい内容に応じた申請書・資料を提出します。
例えば日本人と結婚した外国人配偶者が日本で日本人配偶者と生活したい場合は、在留資格は「日本人の配偶者等」となります。日本人の配偶者としての活動を行うために必要な資料としては、双方の国の結婚証明書や出会いから結婚までのいきさつについての説明したもの(質問書)等があります。
在留更新・変更手続について
在留更新申請手続は、既に在留資格がある外国人が在留期間満了後も引き続き従来と同一の在留資格で日本に滞在したい場合に行う在留手続の事をいいます。
在留資格の変更は、例えば留学から技術・人文・国際業務への変更など、一旦帰国せずに従来の在留資格から新たな在留資格を始める際に行う手続きです。
在留資格の変更を申請する際には、新しい活動に応じた在留資格を選び、変更手続に必要な書類を管轄の入国管理局に提出する必要があります。
留学から技術・人文・国際業務へ変更する場合は、大学の卒業証明書、成績証明書、勤務先の雇用契約書や雇用後の活動計画書などが必要な書類となります。
なおこれらの手続きにおいては、申請書類の正確性と必要書類の見極めが非常に重要です。
申請書類に不備があると、在留申請が却下される可能性があり、最悪の場合は在留資格を失うことにもなりかねないので注意が必要です。
また更新手続申請は必ず在留期間の満了前に申請を行う必要があり、期限満了後の申請は超過滞在として原則として申請が受理されないので注意が必要です。
したがって、在留資格の更新や変更申請手続をスムーズに行うためには、計画的に手続きを進め、必要な書類を事前に準備しておくことが肝心です。
また、不明点がある場合は、専門家に相談することで、手続きの不備を未然に防ぐことができます。
永住資格申請について
永住者の在留資格は、在留活動に制限がなく、在留期間にも制限がないことから、永住許可に係る申請は、日本で暮らす外国人にとって最終の在留審査となります。
永住者の在留資格を取得するための基本的な条件には、原則10年以上の継続して日本に在留している事、10年の内5年以上、就労資格又は居住資格をもって引き続き日本に在留していることが必要です。
5年間分の市県道民税、2年間分の社会保険料の未納がないこと、独立した生計能力があること(公共の負担になっていないこと)が求められます。また申請者の在留期間が3年以上あることが申請の条件となります。
永住資格を取得することは、単に在留期間に制限がなくなるというだけでなく、在留活動に制限がなくなる等、他の在留資格と比較して多くのメリットを享受できます。
今後の入管手続きに向けたアドバイスとして
外国人が日本で生活を始めるために必要な入管手続きは、複雑で時間がかかることがありますが、適切な準備によってスムーズに進めることが可能となります。
このブログでは、在留資格認定証明書、在留資格の更新と変更、永住資格の取得、入管法違反と退去強制について解説しました。
在留資格申請におけるアドバイスとして、以下の事をアドバイスいたします。
入管手続きは早めに始め、余裕を持って申請しましょう。
提出書類は最新のものを用意し、書類に不備がないようにしましょう。
普段の生活では日本の法律を遵守し、在留資格の条件に沿った活動を心がけましょう。
在留資格で不明点がある場合は、入管業務の法律専門家に相談することをお勧めします。
在留資格についてご不安なことがある方は,こちらからお問い合わせください。

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経営・管理ビザの延長の注意点

在留資格「経営管理の期間更新許可申請」について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が紹介します。
「経営管理」の在留期間の更新は、他の種類の在留資格と比較すると難易度が高いといえます。
なぜなら、「経営管理」の在留期間更新の条件には、新規取得時の要件と同等のものを求められるからです。
また、しっかりと経営ができているか否か、管理がきちんとなされているか否かといった視点から在留期間が更新可能かどうか審査されます。
以下にて、「経営管理」の在留期間更新時に求められる要件についてご説明いたします。
「経営管理」の在留資格の申請に関する書類は,出入国管理局HPからも確認ができます。
1.申請者の適正
「経営管理」の在留期間を更新するには、日本で定められている税金(所得税や法人税、住民税など)をきちんと納めていることや各種必要な届出を提出していること、また従業員の社会保険の加入等、申請者の適正が審査されます。
税金の支払いがなされていない場合や納税義務を果たしていない場合は、在留期間更新の審査において非常に不利な要素となります。
2.事業者としての義務の履行
「経営管理」の在留資格取得者の事業者の義務として、以下のようなことが求められます。
① 事業所の確保
事業所については、短期間の月単位契約の物件や簡易な造りの屋台を指定することはできません。
つまり、1区画を占めていて、一定の場所であることが条件となっています。
また、その物件の使用意図が店舗用、事業用、事務所等事業目的だということを示す必要があります。
住居用の一部を事業用等とする場合には、貸主がその条件に同意していることも示さなければなりません。
② 会社としての納税等
日本が定める国税については、遅滞なく納めていることが求められます。
法人税および所得税、地方税(住民税など)を納め、その証明を書類として保管しておきましょう。
③ 社会保険への加入や労働環境の整備等
雇用している従業員について、非正規従業員も含めて適切に社会保険へ加入させていること、労働関係法令に従っていることが求められます。
労働保険や厚生年金、健康保険などが適用される事業所である場合には、適切に加入手続きや保険料の納付を行いましょう。
3.事業の継続性
事業の継続性が安定しているかの判断は、売上が安定していることや黒字決算が望ましいですが、直近期末においての欠損金の有無や債務超過の状況によっては、事業の継続性があると認められる場合があります。
同期末に剰余金があり、当期純利益が直近期にあるならば、事業の継続性があると考えられます。
債務超過が1年以上継続していなければ、将来の事業の計画等を考慮して、直近期末に債務超過でない場合も事業の継続が可能と認められるケースがあります。
この場合、次の1年間の事業計画や売上予想を記した文書を提出することで、基本的には事業の継続性があるものと認められます。
「経営管理」の在留期間の更新については、基本的に1年更新であることが多いですが、3年や5年の在留期間を認められるためには、以下のような条件が認められることが必要になります。
① 安定的な義務の履行・事業の継続
初めの2年間で、事業の収益、売上を一定以上継続できていると、運営が安定的だと判断され、次回の在留期間の更新では3年や5年の長期の経営管理ビザが認められる可能性が高いです。
また、納税や従業員への社会保険加入手続きや保険料の納付など、事業者・経営者としての義務を果たしていることも重要です。
「経営管理」の在留期間の更新申請において、黒字決算であることは大切な要素です。
しかし、黒字にするために代表者の報酬を低くする方法は得策ではありません。
具体的な基準はありませんが、代表者への報酬を新卒社員よりも安く設定するような経営では、安定的な事業の継続がなされていると認められない可能性が高いといえます。
② 中長期の事業計画の提出
3年先や5年先といった中長期の事業計画を作成し、更新時に追加の資料として提出することをおすすめします。
また、1人で経営している事業よりも、複数名の従業員がいて、設備投資も行っている事業の方が入管からの評価が高い傾向にあります。
まとめ
以上のように、「経営管理」の在留期間の更新における審査は比較的厳しいといえますが、しっかりと事業を安定させていれば問題なく更新をすることができます。
在留資格「経営管理」の期間更新許可申請についてお困りの方は、お気軽にお問い合わせください。

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上陸拒否の特例とは何か?再入国が認められる?

上陸拒否の特例について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
日本に入国を希望するも上陸拒否となり入国できないケースが存在します。
しかし、特別な条件下での特例があり、上陸拒否に該当していても入国が認められる場合もあります。
今回はAさんの事例をもとに、上陸拒否の特例について詳しく解説します。
1.上陸拒否とは何か?
日本に入国を希望する外国人が増える中、日本滞在中にオーバーステイや何らかの犯罪をして裁判所で有罪判決を受け強制送還の処分となると,5年又は10年の上陸拒否や犯罪の種類により無期限上陸拒否といった,日本への再入国が拒否されるケースがあります。
「上陸拒否」とは、特定の理由により、外国人が日本に入国することを許可されない状態を指します。
しかしながら一定の条件で上陸拒否を免れる「特例」が存在します。
例えば、家族の結合等の人道上の理由、日本での在留状況等で、特定の条件を満たす場合等です。
ここでは上陸拒否の基本的な概念と、それに関連する特例についての概要を説明します。
2.Aさんの事例紹介
Aさんは、20年以上日本に在住している定住者で、日本に仕事があり家族がいます。
彼は子供の頃に生まれた国から両親と日本に来て、日本の小、中、高で学んできました。
高校を卒業してからは,地元の大手メーカーへ就職しました。Aさんはこれまでの人生の大半を日本で過ごしてきました。彼の本国には知りあいがおらず、彼の友人は全員が日本に住んでいます。
ある日、Aさんは友人から受け取った大麻草を公園で吸っていたところを警察に発見され、逮捕されました。逮捕後、裁判所に起訴をされて執行猶予付きの有罪判決を受けました。
判決後、Aさんは在留更新を行いましたが更新は認められませんでした。
更新不許可後、Aさんは在留期間内に自主的に帰国しました。帰国して1年後日本への再入国を試みましたが、入国拒否となりました。
Aさんは、家族や仕事、失った日本での生活全てを取り戻すため、上陸拒否の特例を求める手続きを開始しました。
3.入管法の規定について
入管法第24条には、上陸を拒否される外国人の具体的な事由が列挙されています。これに該当する場合、原則として日本への入国は許可されません。
薬物事犯、不法入国、不法滞在、偽造・変造された旅券の使用など、多岐にわたる事由が上陸拒否の理由として挙げられています。
しかし、入管法には上陸拒否の特例に関する規定も存在します。特定の条件を満たす場合、法務大臣の裁決により、上陸が特別に許可されることがあります。
上陸拒否の特例を受けるためには、許可を認めてもらうだけの「相当の理由」が必要とされます。
この「相当の理由」には、家族との結びつきや、人道上の理由(日本での申請人の生活基盤、申請人や配偶者の健康状態など)が含まれます。
上陸拒否の特例を求める場合、関連する書類や証明資料を提出し、法務大臣の裁決を受けるプロセスを経る必要があります。(出入国及び難民認定法第5条のニ)
上陸拒否の特例の中でも、人道上の特別な事情は、上陸拒否の特例を認めるうえで重要なポイントとなります。
Aさんのケースでは、日本での滞在歴の長さや日本への定着性、本人の反省度、家族との結びつきなどが、人道上の特別な事情として考慮される要因となります。
4.再入国の方法について
上陸拒否を受けた外国人が日本に再入国するための手段として、在留資格認定証明書を通じた方法があります。
在留資格認定証明書は、外国人が日本に在留するための資格を有していることを証明する書類です。
この認定証明書を取得することで、再入国の際の上陸審査がスムーズに行われる可能性が高まります。
5.まとめ
上陸拒否事由に該当する事は、再入国するにあたりとても大きな障壁となりますが、上陸拒否の特例に必要な要件を満たすことで、この障壁を乗り越えることが可能です。
上陸拒否の特例を受けるためには、多くの証明書類の提出が必要となります。
上陸拒否の特例のプロセスは大変複雑であることから、是非入管業務の専門家のサポートを得ることをお勧めします。当事務所でも上陸特別許可に関するご相談はこちらから受け付けています。

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定住者の「素行善良要件」とは何か

定住者の「素行善良要件」について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
在留資格「定住者」を取得又は更新する際に重要な審査要件一つが「素行善良要件」です。
この記事では、「素行善良要件」が具体的にどのようなものなのか、そしてそれがどのように在留資格に影響するのかを事例を交えて詳しく解説します。
定住者の在留資格とは?
定住者の在留資格は、日本で安定して長期間滞在するための資格の一つです。
この資格にはいくつかの種類があり、それぞれに独自の要件が設定されています。
例えば、日系3世やその配偶者、日本人の子として出生した者の実子などが対象となる場合(告示定住),日本人、永住者又は特別永住者である配偶者等と離婚後引き続き日本に在留を希望する者が対象となる場合があります。(告示外定住)
定住者の在留資格を取得又は変更・更新するためには、いくつかの審査要件をクリアする必要があります。
その中でも重要なのが「素行善良要件」です。
「素行善良要件」とは何か?
「素行善良要件」とは、在留資格「定住者」を取得又は変更・更新する際の審査要件の一つです。
具体的には、以下のような状況が該当します。
日本国または他の国の法令に違反して、懲役、禁錮、罰金などに処せられたことがない。
少年法による保護処分が継続中でない。
日常生活や社会生活で、違法行為や風紀を乱す行為を繰り返していない。
他人に不正な行為を行ったり、不法就労のあっせんを行っていない。
つまり,法律や社会規範に反するような言動が無いことを言います。
この「素行善良要件」が満たされていないと、定住者の取得又は変更・更新が認められない可能性が高くなります。
素行善良要件の審査基準
素行善良要件の審査には、出入国在留管理局が設定したガイドラインがあります。
このガイドラインに基づき、以下のような点が評価されます。
過去の犯罪歴: 日本国内外での法令違反が評価されます。
現在の生活状況: 違法行為があるかどうか。
審査はケースバイケースで行われるため、一概には言えませんが、上記のような点が総合的に評価されます。
以下の事例で素行善良性について考えてみましょう。
事例1:スピード違反での逮捕・起訴
スピード違反で逮捕・起訴された場合、この場合は「素行善良要件」に大きな影響を与える可能性があります。
特に、逮捕・起訴が繰り返されると、その都度、在留資格の取得や更新が困難になる可能性が高まります。
逮捕・起訴された場合、以下のような影響が考えられます。
在留資格の取得: 新規で在留資格を取得する際、素行善良要件を満たしていないと判断される可能性が高くなります。
在留資格の変更・更新: 既に在留資格を持っている場合でも、更新時に再度審査が行われ、素行善良要件を満たしていないと判断されると、更新が認められない可能性があります。
このような状況を避けるためには、法令を遵守し、交通ルールを遵守し交通違反で検挙されないよう注意を払う必要があります。
事例2:スピード違反での反則金
スピード違反で反則金を支払った場合でも、これが「素行善良要件」に影響を与える可能性があります。
ただし、反則金の場合は逮捕・起訴されるケースよりも影響は軽微であることが多いです。
具体的な影響は以下の通りです。
在留資格の取得: 反則金を支払った場合でも、その他の素行善良要件がしっかりと満たされていれば、新規での在留資格取得は可能です。
在留資格の変更・更新: 既に在留資格を持っている場合、反則金の支払いが一度か二度程度であれば、更新時の審査に大きな影響はないとされています。
しかし、反則金の支払いが繰り返されると、その都度「素行善良要件」の審査で不利に働く可能性があります。
「素行善良要件」は、定住者の在留資格を取得または変更・更新する際に非常に重要な要素です。
事例を交えて説明しましたが、スピード違反などの法令違反を繰り返すと、この要件を満たしていないと判断される可能性が高くなります。
特に逮捕・起訴された場合や反則金の支払いが繰り返されると、在留資格の取得や変更・更新が困難になる可能性があります。
普段の生活では法令を遵守し、社会的に非難されるような行為を避けることが重要です。
「定住者」の在留資格について取得,変更,更新にお困りのことがある方は,こちらからお問い合わせください。

日本に在留する外国人の方が増える中,ビザや在留資格の手続きは複雑で分かりにくく,誤ると収容や強制送還のリスクも伴います。弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では,日本に在留する外国人の方,日本に入国したいという外国人の方やそのご家族の方のために最大限のサポートをさせていただきます。自分たちだけで悩まずに,どうぞお気軽にお電話下さい。
「経営・管理」のビザがとりやすくなった?

在留資格「経営・管理」の取得要件緩和について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が紹介します。
出入国在留管理庁は、外国人の起業を増やすために2024年度中に、「経営・管理」在留資格の要件に関する省令を改正する予定です。
日本国民や永住者、日本人の配偶者などの在留資格があれば、国内で自由に会社の経営や役員職につくことができますが、外国人は在留資格に応じてこれらの職に就くことについて制限されています。
「経営・管理」の在留資格とは、外国人が日本で会社経営や管理職として勤務ができる在留資格であり、以前は「投資・経営ビザ」として知られていましたが、現在では外国の資本が関与していなくても取得が可能となったため、名称が「経営・管理ビザ」に変更されています。
通常、「経営・管理」の在留資格での在留期間としては、3ヶ月から5年までの間の複数の期間が設定されていますが、申請者の提出した計画や状況により在留期間は決定され、初回では1年間が標準的な期間となっています。
外国人が「経営・管理」の在留資格を取得した場合、基本的には1年更新の在留資格であるため、原則として1年ごとに在留期間の更新手続きが必要になります。
「経営・管理」の在留資格の取得要件として、①独立した事業所の確保、②500万円以上の出資金又は2名以上の常勤職員の雇用、③事業の安定性・継続性が求められます。
以下、各取得要件についてご説明いたします。
・事務所の確保
「経営・管理」の在留資格を取得して日本で会社を設立するためには、事務所を確保する必要があり、「経営・管理」の在留資格を取得するには、独立した事務所が必要です。
事務所ごとに明確な仕切りがないバーチャルオフィスやレンタルオフィスでは事務所としては認められず、また原則として、自宅として利用しているアパート、マンションなどを事務所とすることもできません。
・事業規模の要件と安定性,継続性
「経営・管理」の在留資格を取得するためには、「経営・管理」の在留資格を取得する外国人本人による500万円の出資金又は日本に居住する常勤職員(日本人、特別永住者、日本人の配偶者、永住者等)を雇用するなどの事業規模が必要です。
設立する会社の事業に適正性、継続性と安定性があることも求められます。
事業内容や収支見込み、事業計画書などを提出して、適正性、継続性と安定性を示します。
ビジネスの実体があり、利益をだし事業継続できるのかという点について審査されることになります。
したがって、何年にもわたって赤字を出し続けることが想定される会社は認められません。
2024年度に独立した事業所の確保及び500万円以上の出資金の要件の緩和、在留期間が1年から2年への延長が予定されています。
また、在留期限の更新に際しても、一般的には毎年の更新が見込まれていますが、運営する事業経営状況や経営者の在留履歴、事業の規模、素行などに応じて、更新期間を2年や3年と延長することが許されるケースも存在します。
日本で会社を経営するために取得する「経営・管理」の在留資格では、学歴や職歴要件は要求されていませんが、誰でも申請ができる反面、日本で会社経営ができるのかという、事業規模と事業計画の面が厳しく審査されることになります。
2024年度の改正により、経営管理の在留資格取得の要件が緩和されると言われています。
具体的には、以下のように各取得要件が緩和がされる改正が予定されています。
従来は原則1年の在留期間であったのに対して、2年間に延長される予定です。
また、日本国内の独立した事業所の確保という要件についても、大学の研究室の一部などに拠点を設置する方法でも可能とされる予定です。
さらに、500万円の出資金又は2名以上の常勤職員の採用という要件についても、出資金なしでも可能とされる予定です。
これらの改正が実現されると、今まで認められなかった共同事務所での間借りやシェアオフィスでの事業所利用なども可能となります。
以上のように、外国人が起業しやすい環境をつくることで外国人起業家を増やしていく方向性が示されましたので、今後の法改正について注目が必要となります。

日本に在留する外国人の方が増える中,ビザや在留資格の手続きは複雑で分かりにくく,誤ると収容や強制送還のリスクも伴います。弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では,日本に在留する外国人の方,日本に入国したいという外国人の方やそのご家族の方のために最大限のサポートをさせていただきます。自分たちだけで悩まずに,どうぞお気軽にお電話下さい。
「技術・人文・国際業務」の在留資格

日本には日本で働く外国人のために多くの就労資格がありますが、その中でも特に「技術・人文・国際業務」の在留資格は多くの日本で働く多くの外国人に選ばれています。
この記事では、「技術・人文・国際業務」の特徴、活動内容、審査基準などを事例を交えて詳しく解説します。
当サイトでも,「技術・人文知識・国際業務」の在留資格について解説をしています。
「技術・人文・国際業務」の在留資格とは?
在留資格の概要
技術・人文・国際業務の在留資格は、日本で働く外国人が取得することのできる就労資格の一つです。
この在留資格は、特に高度な専門性を持つ外国人が対象となります。
対象となる人
この在留資格は、日本の大学や専門学校に留学している留学生、または特定の専門性を持つ外国人が対象となります。
例えば、エンジニア、研究者、ビジネスマンなどが該当します。
日本で働くには、在留資格が必要です。
特に、この「技術・人文・国際業務」の在留資格は、高度な専門性が求められる職種で働く際に必要となります。
活動内容について
①理学、工学などの自然科学分野
この在留資格では、理学や工学などの自然科学の分野での活動が認められます。
具体的には、研究開発、製造技術、品質管理などが含まれます。
②法律学、経済学などの人文科学分野
法律学、経済学、社会学などの人文科学の分野でも、この在留資格での活動が可能です。
例として、法律コンサルタント、経済アナリスト、社会研究者などが考えられます。
③国際業務における活動分野
国際業務においても、この在留資格は適用されます。
具体的には、国際貿易、外国市場調査、国際プロジェクトマネジメントなどが該当します。
この在留資格で認められる活動内容は多岐にわたりますが、共通して高い専門性が求められる点が特徴です。
活動内容と審査の基準
出入国管理及び難民認定法に基づく基準
この在留資格の審査は、出入国管理及び難民認定法に基づいて行われます。
この法律には、在留資格を取得するための一定の基準が明示されています。
審査におけるポイント
審査では、申請者の専門性、経験、そして日本での活動内容が重要なポイントとなります。
具体的には、以下のような要素が評価されます。
専門的な資格やスキルの有無、過去の実績や経験、日本での活動計画とその実現可能性等です。
審査においては、申請者自身が高い専門性と実績を持っていることを資料を基に証明する必要があります。
在留資格取得のポイント
専門性と経験を明確に証明する資料が必要です。各種の申請書はこちらからもダウンロードできます。
日本での活動内容とその実現可能性が求められます。
日本でのサポートする組織や企業からの採用通知書が求められます。
注意すべき事項
在留資格の更新や変更には、早めに手続きを始めることが必要とされます
在留資格がない状態での活動は違法となるため、絶対に避ける必要があります
専門性や経験を高めるための継続的な学習とアップデートが必要となります。
「技術・人文知識・国際業務」の在留資格についてお困りのことがある方は弊所までご相談ください。

日本に在留する外国人の方が増える中,ビザや在留資格の手続きは複雑で分かりにくく,誤ると収容や強制送還のリスクも伴います。弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では,日本に在留する外国人の方,日本に入国したいという外国人の方やそのご家族の方のために最大限のサポートをさせていただきます。自分たちだけで悩まずに,どうぞお気軽にお電話下さい。